【銘柄分析】トランザクション【2021年8月期 第1四半期決算】

  • 2021年2月25日
  • 2021年2月28日
  • 未分類
  • 13view
  • 0件

 

最新の決算は2021年1月12日発表の2021年8月期第1四半期決算になります。

会社業態及びビジネスモデル

企業概要 雑貨メーカーグループ。一般雑貨製品・エコ雑貨製品・ヘルスケア&ビューティ雑貨製品の企画・デザインから生産(委託)・品質管理・販売(企業向け・卸向け)と電子タバコ専門ショップ運営。エンタテイメント業界、アミューズメント業界向けを中心に「エコプロダクツ」「ライフスタイルプロダクツ」「ウェルネスプロダクツ」を販売。次世代タバコ(VAPE)事業は電子タバコ専門ショップ「vape studio」8店舗運営、卸売、ネット販売「vape.shop」の3体制。主力オリジナル商品はエコバッグ等の縫製製品、ボトル・タンブラー、ステーショナリー等。2010年プロモーションのTOW<4767>とノベルティグッズ分野で業務提携。2015年電子タバコ専門ショップ「vape studio」をオープン。2019年東京ガールズコレクション運営のW TOKYOと資本業務提携。2020年接骨院のリグア<7090>と業務提携。
取扱商品
・カスタムメイド雑貨(イベント物販グッズ、キャラクターグッズ、セールスプロモーショングッズ、PROMINATE社製品、ステーショナリー「Moleskine」)
・オリジナル雑貨(エコ雑貨製品、デザイン雑貨製品、ヘルスケア&ビューティ雑貨製品、エシカル製品、トラベル関連製品、ペットウェア・関連製品)
・電子タバコ(専門ショップ「vape studio」、リバティフライツ社製品、VAPE輸入代行サイト「vape.shop」)
・ECサイト「販促STYLE」(企業向けノベルティ、記念品、販促品)
企業URL http://www.trans-action.co.jp

※マネックス証券/銘柄カウンターページより抜粋

トランザクションのビジネスモデルですが雑貨の自社生産から販売までを手掛けるSAP事業です。販売ルートは店舗、卸売り、WEB販売と自社で運営するECサイトをブランドごとに複数保有しており、コロナ禍ではECサイトに販売は追い風を受けているようです。一部電子タバコ(VAPE)等の取り扱いもあります。

基本的に製品の製造に関しては海外の外部工場を活用したファブレス型製造モデルです。

また、取り扱いの雑貨製品を大まかに分類すると下記の通りです。

またそれぞれの製品分類の売上高の構成比率は下記の通りです。

 

主力となる各種雑貨製品ですが「MARKLESS STYLE」「MOTTERU」といった自社ブランドとしてECサイトでの販売も行っております。2020年度8月期はコロナ禍の影響でヘルスケア、ビューティ雑貨が非常に大きく伸びていますね。

 

株式基本指標

私が銘柄のスクリーニングを行う上で重要視している指標を並べてみます。

基本指標

2021/2/25時点の数値

指標

数値

市場

東証1部

上場年

2010年10月12

株価 1,125円
PER 19.4
PBR 3.33
ROE 18.09%
ROA 13.38%
EPS 57.87円
自己資本比率 73.9%
発行株式数 29.2(百万)株
配当利回り 1.69%
配当性向 31.80%
現金同等物 3,177(百万)円 / 2021年8月期第1四半期決算短信
有利子負債 773(百万)円 /2021年8月期第1四半期決算短信
利益余剰金 3,295(百万)円 / 2021年8月期第1四半期決算短信

現金が大きく有利子負債を上回っており、自己資本比率も70%越えと超健全な財務体質といえます。

雑貨の製造販売、と昔ながらの商売形態かと思いきや上場は2010年と比較的新しめの会社ですね。2010年と言えばリーマンショックの直後ですし、こういった時期に上場している会社は健全な財務体質への意識が強いイメージがありますね。

 

独自バリュエーションチェック指標

「1%の人が知っている99%勝てる株が見つかる本」を参考に行う将来のROEや配当利回りを参考にした手法です。これで購入銘柄を決めるわけでは無いのですが、参考にしています。

こちらの各指標を使ったバリューチェックの具体的方法はこちらで解説しているので、それぞれの指標を見ていく背景説明は省きます。(詳しくは別記事で解説しています。)

経年営業利益率
2021年8月期第1四半期累計 18%

2021年8月期(予測)

14%
2020年8月期(実績) 15%
2019年8月期(実績) 12%
2018年8月期(実績) 11%
その他基本的指標 備考/目標基準
配当性向

31.8%

≧50%
増収歴(純利) ≧4年
中期経営目標 2022年までの計画有り(資料も)
20年後もサービスが継続しているか? 〇/△/× で✖は投資NG
7年後の株価予想 3.8倍 ⑦の数字を市場平均利回り1.6%(2018年)で割る

長期的に見た株価上昇ポテンシャルは4倍程度とかなり高くなっています。

営業利益率ですが徐々にここ数年で高まってきており、非常にいい傾向といえます。

特に2021年8月期第1四半期は18%と非常に高くなっています。季節要因か?と思い過去の第1四半期も調べてみました。

      2020年度 1Q:14.7%      

2019年度 1Q : 14.2%

2018年度 1Q : 14.2%

となっており、若干高めに数字が出る傾向のある期間なのかもしれませんが、明らかに今年は高まっています。基本的にはコスト削減による一時的な高まりか、効率化による恒常的な高まりか、かと思いますが、恒常的に利益率Upが達成できるような仕組みが具体的に出来上がってきているのであれば面白いですね。

もう少し細かく見ていってみます。

株価と直近業績の関係性

経年の業績推移と株価の関係

↓マネックス証券/銘柄スカウターページから抜粋

↓ここ数年の株価の動きです。

 

2021年度は減収減益予想ですが、それまでは右肩上がりです。それに反して株価は浮き沈みはありますが殆ど2017年の頃の水準と変わりなし。当時が大分高く評価されており、直近の期待感が落ち着いてきた、という事かと思いますが、成長率は他の成長株と比べると若干地味かもしれませんが、これだけ順調に業績を伸ばしている割には少し評価が低い様にも感じます。

ピークの株価は2017年の7月頃で1,349円でした。それ以降は一度も高値を更新していません。当時の2017年月期決算時のEPSは32円でしたので当時のPERは42倍でしたので確かに少し割高かもしれませんね。

ただ足元は20倍を切っていますし、2017年8月期と比べても2020年8月期はEPSが56.6円と倍近い水準になっていますので、この堅調な業績ですからもう少し評価されてもおかしくない様に感じますね。

同業他社とも比較してみましょう。

同業種内での割安度(PER)の比較

家庭雑貨の代表的銘柄メーカーで比べてみました。

会社名 業態 PER
良品計画 ・総合雑貨店「無印良品」(直営店、LS店)、海外店舗「MUJI」の運営等 18.4
HAPiNS インテリア雑貨専門店チェーン、インテリア雑貨(家具、インテリア、キッチン・食器、バス、掃除・洗濯、ヘルス&ビューティー)、家電・家具(家具、デザイン家電、寝具) 368.1
粧美堂

美容雑貨商社・ファブレスメーカー、コンタクトレンズ関連、アイメイク製品、化粧雑貨・化粧品、ファッション雑貨、トラベル雑貨、生活雑貨

77.7
イデアインターナショナル

ライフスタイル商品の企画・卸・小売会社、住関連ライフスタイル商品・製造卸売(インテリア雑貨、トラベル雑貨、ホームソーダマシン、ホットプレート、キッチン家電、卓上型加湿器、機能性アクセサリー)

129.0
アクサスホールディングス

ライフスタイルカンパニー。徳島市を拠点に、美と健康をサポートする化粧品・生活雑貨・医薬品、スポーツギア・アウトドアギア、酒類等の小売事業と輸入卸売(酒類、化粧品、ファッション雑貨)事業を展開。店舗展開はインテリア雑貨店「アレックスコンフォート」・ビューティーライフストア「チャーリー」、文具専門店「文具館チャーリー」など(36店舗、2020年8月)。2016年雑貨屋ブルドッグ(現ACリアルエステイト、不動産管理会社、店舗はアクサス等に譲渡)とアクサスが経営統合。

24.1
ドウシシャ

生活関連用品の流通サービス会社。家電・家庭用品・ファッション製品・雑貨用品・インテリア製品・食品・ギフト商品を企画・開発・製造・調達、大型量販店・ディスカウントストア・専門店へ卸売。

10.0
アミファ

雑貨商品メーカー。国内の100円ショップを主要顧客に、「amifa」ブランドのライフスタイル雑貨(ギフトラッピング、デザイン文具、キッチン・テーブルウエア、フラワー関連商品)の企画・製造仕入・卸販売。

14.9
あらた

日用雑貨品卸商社。有名メーカーの幅広い生活用品(ヘルス&ビューティー製品、トイレタリー、紙製品、家庭用品等)を約12万アイテム取り揃え、ドラッグストア・ホームセンター・スーパー・コンビニ等へ卸売。

10.1

一口に雑貨を扱う会社といってもPERはかなりばらつきが大きいですね、やはり汎用的な日用品メインだったり、流通や卸売りがメインのところはどうしてもが低くなりがちです。自社で企画・製造を行っていると市場からの評価も受けやすいのでしょう。

トランザクションは卸売りや流通というより企画・製造寄りのメーカーかと思いますので、やはりもう少し評価されてもいいようには感じますね。

 

直近の業績動向

では実際の2021年8月期第1四半期決算の内容をもう少し掘り下げてみます。

直近決算 1/8 日発表の第1四半期累計実績
金額(百万円) 進捗率 対前年比
売上 4,841 27.5% 7.7%
営利 887 33.5% 33.3%
経常 912 35.9% 36.9%
純利 624 36.9% 41.5%

 

◆四半期別業績推移

2021年8月度の業績予想は減収減益でしたが、第1四半期の結果はかなり好調ですね。売上もですが利益面の増加が著しいです、4半期にに見てもずっと増収増益をキープしてきてのこの業績ですから、まだ早計ではありますが2021年度も目標達成及び上振れの可能性もかなり高いのではないでしょうか?

ただコロナ関連での特需(マスク等)が業績をけん引しているのであればコロナ収束に向かうと思われる今年度は少々見方を気を付ける必要がありそうなので、また後程詳細は見ていきます。

ただ、過去の業績予想修正を見ているとかなり期中での上方修正が多いので期初の予想はかなり堅めに発表する社風である可能性は高いですね。

足元好調な業績の牽引役は?

2020年度8月期本決算で発表されている2021年度の業績予測は僅かですが減収・減益でした。要因としてはコロナ禍におけるプラス要因とマイナス要因が入り混じって、トータルでは若干落ち込む、との見込みの様です。

 

予想に反して実際に第1四半期は大きく増収・増益を確保したわけですが要因としては販売経路の多様化とエコ雑貨及び・ヘルスケア関連製品の好調、という点だと言えそうです。

↓2021年度8月期第1四半期決算短信から抜粋

具体的な商品別にみると特に影響が大きかったのはレジ袋の有料化等を受けてのエコバック、SDGsの浸透によるエコを意識した再生コットンバックの販売やウイルス感染対策製品ウェルネスプロダクツ関連の様です。

 

エコ関連の製品に関しては今後も中長期的に伸びていく可能性は高そうです。反対にコロナ対策関連品に関しては昨年、今年がピークで今年度後半~来年以降はコロナ禍の収束と共に減少していくと思われます。

販売経路に関しては卸売り事業者向けとEC事業者向けが大きく伸びています。はっきりとしたデータは無いのですが、この卸売り事業者向けという製品群の多くはウェルネスプロダクツの販売と思われ、成長を牽引していますがこちらは恐らくコロナ禍の収束と共に落ち着いていくでしょう。

今後大きく期待できそうなのはやはりEC事業ですね。

ECサイトに関しては主力のMARKLESS STYLEを柱として複数の自社サイトを運営していますので、まだ売上規模としての比率は低いですが今後の拡大は大きく期待できそうです。

コロナ禍での特需であるウェルネス関連製品が落ち込んでいく前にどれだけECサイト上での販売経路を拡大できるか、という点が今後の行く末を占う事になりそうです。2020年後半にサイトリニューアルやサイト立上げを矢継ぎ早に行っているので、現在ECサイト経由の販売は全体の10%ちょっと程度ですので第2四半期以降どの程度数字を伸ばすのか注目したいところです。

今後コロナ禍が収束すればリアル店舗(エンドユーザー向け企業)の方の販路回復も見込めるのでそちらの収益回復も見込めるでしょう。

下記の資料は2020年8月期の本決算時のものですが2019年度比でEC販売は164%だったようです。何故かEC事業が小売り事業と連結で計上されていますが、小売り事業は店舗撤退で大幅減収となっているので全体では伸び率が低く見えてしまいます、、、ECに注力していくのであればこの2つの事業の計上は切り離せばいいのにな、と思います。

 

新規事業や将来展望

主に直近の第1四半期の決算短信や、中期経営計画資料から読み解きます。

2019年に策定された2022年までの中期計画の計数目標は下記の通りです。当時はまだコロナ前でその影響が考慮されていませんでしたが、2020年度の実績が売上185億円、営利28億円でしたので計画までは10%程度のストレッチとなっており、足元の好調な業績を見ても充分達成可能な水域と思われます、上手く行けば2021年度に達成するかもしれませんね。

基本方針としてはサステナビリティへの取り組みとしてエコ、環境配慮型商品の拡充といった基本に沿った戦略に注力していくと思われます。コロナの収束と共にトラベル関連事業の回復も見込めると思いますし、EC事業の拡大は推し進めながらもリアル店舗の販売回復も期待できそうです。

こうしてみると製品群及び販路が多様であることから、マイナスの影響もリスクヘッジ出来ているビジネスモデルだと思われ、今後世の中の流れがどう転んでもあまり大きく転覆する可能性は低そうに思えます。

また株主還元として増配(2022年度に24円まで)も具体的に記載されており、実際に2021年度も増配予定ですので、このまま堅調な業績が続けば今年度に計画の19円から20∼22円くらいまで増配される可能性はありますね。

2021年4月上旬ごろに発表されると思われる第2四半期の決算発表を見て好調継続していれば、ここで行った考察が現実的になる可能性はかなり高いといえるかもしれません。

 

纏め・総論

個人的見解ですが総論としては下記の通りです。(あくまで見解であり、投資の有無を推奨するものではありません

財務安全性 現金が大きく有利子負債を上回っており、自己資本比率も70%越えと超健全な財務体質
配当利回り/配当性向 増配の方針はあるので一時的には利回りが改善される可能性も
業界全体の成長性 巣ごもり需要で一時的に増加傾向かもしれないが長期的には人口減少が見込まれる日本国内では横ばい、漸減か、海外市場はまだ成長余力大きいか
会社の優位性/成長性(見込み含む)

製品及び販路のポートフォリオのバランスが取れているので今後EC事業を大きく拡大、販売データ等の収集からより収益性の高い製品の企画・製造等が行えるようになると強みとなるか、扱い製品が自社ブランド品、自社企画・製造品がメインなことも利益率を高く出来る要因か

割安度

足元そこまで割安度は無いが、EC事業等の存在感が強まると市場からの評価が高まる可能性も