【銘柄分析】パイプドHD(株)【2021年3月期第3四半期 決算】

  • 2021年2月9日
  • 2021年2月19日
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さて前々から注目していましたパイプドHD(株)ですが少し前ですが2020年12月28日に発表済みの2021年2月期第3四半期決算の情報をベースに分析したいと思います。

会社業態及びビジネスモデル

企業概要 情報管理ソフトのパイプドビッツを中核とする持株会社。企業・組織の業務に必要なアプリを自由に構築できるクラウド型のローコード開発プラットフォーム「SPIRAL」(データベース、開発・実行環境)を提供。機能別事業群(情報資産プラットフォーム事業、販促CRMソリューション事業、広告事業)、分野別事業群(xTech事業、社会イノベーション事業)のセグメント(累計導入実績10000社超)。カスタマイズ(メンテナンス不要)機能、顧客の業務ソフトとの連動などに特長。美容業界・地域街づくり・医療業界向けのクラウドサービスに注力。2015年ソフトブレーン<4779>と新サービスを共同開発開始。2017年会計サービス「ネットde会計」「ネットde青色申告」事業から撤退。2018年電子地域通貨プラットフォームのエルコインを設立。2020年「バーチャル株主総会ソリューション」を提供開始。
取扱商品
・情報資産管理プラットフォーム「スパイラル」、アパレルEC「スパイラル EC」、クラウド型グループウェア×CMS×SNS連携プラットフォーム「スパイラルプレース」
・販促CRMソリューション(デジタルCRM、BtoBマーケティング支援「ITレンジャー」、Webシステム開発業務請負、ECサイト・アプリ構築・運営・コンサル)
・広告(インターネット広告代理販売、アフィリエイトASP一括管理サービス「スパイラルアフィリエイト」)
・xTech(BIM建築情報プラットフォーム、美容・電子カルテアプリ、電子地域通貨プラットフォーム)
・社会イノベーション(地域密着型Webサイト・アプリ、政治・選挙プラットフォーム、地域密着型Webサイト、電子地域通貨「シモキタコイン」)
企業URL https://www.pipedohd.com/

※マネックス証券/銘柄カウンターページより抜粋

 

主な事業セグメント別売上と営業利益。(2021年3月期/Q3決算説明資料より抜粋)

情報資産プラットフォームである「SPIRAL®(スパイラル)」が事業の柱。利益の大半がここに依存しており、スパイラルのシステム利用料売上(ストック売上)が主な収益元。

SPIRAL®(スパイラル)とは、企業・組織の業務に必要なアプリケーションを自由に構築できるクラウド型ローコード開発プラットフォーム。

ローコードとは、コードを書かない、または少ないコードでアプリケーションを開発することを言います。

こちらのサービスの採用企業数は金融・製造・小売・学校・飲食・官公庁などあらゆる業界で累計導入実績3,500社以上、とのこと。

最近流行のローコードでの社内システムやアプリケーションでの開発プラットフォームを提供しているという事ですね、個人的には少しプログラミングをかじって匙を投げた事があるので、ローコードには非常に興味あります。

 

 

 

株式基本指標

私が銘柄のスクリーニングを行う上で重要視している指標を並べてみます。

基本指標

2021/2/8時点の数値

指標

数値

市場

東証1部

上場年

2015年9月

※旧株式会社パイプドビッツ

株価 1,581円
PER 14
PBR 3.07
ROE 21.87%
ROA 10.58%
EPS 113円
自己資本比率 54.4%
発行株式数 8(百万)株
配当利回り 1.33%
配当性向 23.6%
現金同等物 4,927(百万)円 / 2021年2月期第3四半期決算短信より
有利子負債 1,755(百万)円 / 2021年2月期第3四半期決算短信より
利益余剰金 3,722(百万)円 / 2021年2月期第3四半期決算短信より

現金同等物が有利子負債の3倍近くあり、財務的な懸念は全く無いですね。

長期投資先の財務面での条件はクリアしていそうです。

 

独自バリュエーションチェック指標

「1%の人が知っている99%勝てる株が見つかる本」を参考に行う将来のROEや配当利回りを参考にした手法です。これで購入銘柄を決めるわけでは無いのですが、参考にしています。

こちらの各指標を使ったバリューチェックの具体的方法はこちらで解説しているので、それぞれの指標を見ていく背景説明は省きます。

経年営業利益率
2021年3月期第3四半期単独 17%
2021年3月期第3四半期累計 18%

2021年2月期(予測)

17%
2020年2月期(実績) 22%
2019年2月期(実績) 7%
2018年2月期(実績) 15%
2017年2月期(実績) 18%
その他基本的指標 備考/目標基準
配当性向

23.6%

≧50%
増収歴(純利) × ≧4年
中期経営目標 2020年までの目標でそれ以降はまだ無し
20年後もサービスが継続しているか? 〇/△/× で✖は投資NG
7年後の株価予想 3.5倍 ⑦の数字を市場平均利回り1.6%(2018年)で割る


2019年2月期は人材への先行投資という事で大幅に営業利益率が落ちこんでいますが、それ以外は概ね17~18%程度で推移しています。

正直事業モデルから考えるともう少し株式市場で評価されてもおかしくないな、とは感じます。

 

株価と直近業績の関係性

 

経年の業績推移と株価の関係

↓マネックス証券/銘柄スカウターページから抜粋

↓ここ数年の株価の動きです。

2020年1月頃のコロナ前に株価はピークをつけています。当時の株価は2,400円程度に対し2020年2月期のEPSは86円ですので、PERは28~30倍程度でしょうか。

今年度は営利/経常は減収予想ですが、純利益は30%upとなっています。こちらは持株会社の有価証券売却益を計上している事が要因です。

 

ただ営利/経常では昨年比でビハインドしており、本業ででは苦戦が見られており、株価も停滞してしまっています。

ローコードを活用した、プラットフォーム型/ストック型売上を展開するビジネスモデルとしてはコロナ禍での需要が増しそうですが想定より上手く波に乗れていない様です。

この点が株式市場からも失望され株価が上がらない要因かもしれません。

 

直近の業績動向

では実際の2021年2月期第3四半期までの足元の業績はどうでしょうか?

直近決算 2/5 日発表の第3四半期累計実績
金額(百万円) 進捗率 対前年比
売上 4,569 78.8% 1.4%
営利 821 82.1% ▲9.6%
経常 817 81.7%

▲11.5%

純利 768 85.3% ▲31.1%

2020年はコロナ真っただ中のQ1(3-5月は)昨年比でも大幅増益となっていましたがQ2-3は減益となってしまっています。

ただ第3四半期までの累計では営利∼純利益までの進捗率は80~85%程度となっており、通期予想数字の達成は堅そうです。上振れも十分見込めます。

セグメント別に紐解くと、主力商品であるスパイラルを軸とした情報資産プラットフォーム事業はQ1-3類型の営利ベースで増益(3.4%増)を確保しています。

ただ更に内訳をみるとQ1の貯金があるだけでQ2-3は昨年比で減益となっています。

情報資産プラットフォーム事業はこのコロナ禍でいい意味でも悪い意味でもあまり大きな影響を受けてない様です。

 

 

その他の事業は販促CRMソリューション及び広告も売上は昨年比で微増なものの、全体で見ると、営利では減益になっており、決算資料内にも記載あったように増員による人件費/研修費増により、コストアップが響いているようです。確かに売上増加率(1.4%)に対して管理費は10%程度増加しています。

売上総利益に関しても5%程度伸びていますので、管理費の増加が利益押し下げにかなり効いてしまってますね。

という事でコロナの影響を大きく受けているわけでもなく、業績も比較的堅調ではありますが、IT/情報業界の他銘柄がコロナ禍での生活様式に適応した事を受け、大きく業績や株価を伸ばしていることからどうしてもインパクトが足りないという事なのでしょう。

2021年2月期第3四半期の決算資料内には特に情報資産プラットフォームに関してはWEB経由での相談・案件化も増加傾向とのこと、来期業績計画の発表を楽しみにしたいです。

 

同業種内での割安度(PER)の比較

情報/通信セクターの各市場の平均PERを見てみます。

■情報・通信セクター 平均 PER情報 (参考情報)

※日本取引所グループ月次業界別平均PER(2021年1月)

東証1部平均 33.2
東証2部平均 26.0
マザーズ平均 366
JASDAQ平均 25.8

足元パイプドのPERは14倍程度ですので東証1部の同業界平均と比較しても大分割安です。

ただ既述の通りもっと目立って業績を上げていて、株価がどんどん上がる銘柄にお金が集まってしまっているのかもしれません。市場の過熱感が落ち着いてくれば改めて見直しが入るかもしれませんね。

 

新規事業や将来展望

主に2021年2月期第3四半期決算説明資料中期経営計画資料から読み解きます。

2020年度に向けて策定された計画では営業利益1,700(百万円)を掲げていたことに対し、今年度の予測は1,000(百万円)なので大幅未達です。

2019年度の営利実績が1,390(百万円)だったので、約20%ちょいのアップの必要がありましたのでコロナが無かったらどうだったのでしょうか、、

将来に向けた種まきとしてはCVSファンドの設立というのは今後着目していきたいですね、既存事業とのシナジーが生み出せるスタートアップの発掘、育成等にも力を入れていくようです。

潤沢なキャッシュを活かして積極的な出資・買収等を継続しながら株主へのアピールを怠らずに継続してほしいところ。いかんせん面白いサービスを提供しているにも関わらず注目度が低い、、、

あまりIR資料内にも具体的展望が描かれていないのは少々物足りなさを感じてしまいます。

SPIRAL ver.2 というサービスもリリースしています。現Ver.のマイナーチェンジの改良版といったところでしょうか。来期以降同業績に影響を及ぼすのか注視していきたいところです。

 

纏め・総論

個人的見解ですが総論としては下記の通りです。(あくまで見解であり、投資の有無を推奨するものではありません

財務安全性 問題無し
配当利回り/配当性向 配当自体は魅力低い
優位性 サービス自体は面白いが最近はローコードやノーコードをウリにするサービスも増えてきているのが少々懸念
業界全体の成長性 今後益々ソフトウェア開発需要の高まり、エンジニアの絶対数が不足する可能性高く、成長余地大きそう
会社の成長性

サービスは面白いので、具体的な将来展望の積極的発信をしてほしいところ、現時点での成長性期待度は可もなく不可もなく

割安度

業界平均、ビジネスモデルから見るとかなり割安に思えるので実績(明確な業績up)が具体的に見え始めれば一気に花開く可能性も