【株式銘柄分析】(株)アルファポリス【2021年3月期 第3四半期決算】

  • 2021年4月9日
  • 2021年5月5日
  • 未分類
  • 10view
  • 0件

本ページでは(株)アルファポリスの決算資料などを元に株式投資銘柄としての現状の価値、将来性等を分析していきます。あくまで個人的な分析になるので参考にするもしないも皆様次第です。

最新の決算は2021年2月12日発表の2021年3月期第3四半期決算になります。

会社業態及びビジネスモデル

企業概要 書籍出版会社。「アルファポリス」サイトに投稿されたコンテンツ(小説・漫画・文庫・その他ジャンル)からのユーザー評価を参考に出版コンテンツを調達、書籍化、全国書店で販売する事業を展開。ネット小説・漫画等のコンテンツの登録・閲覧プラットフォーム「アルファポリス 電網浮遊都市」を運営。取扱書籍は漫画・ライトノベル(ファンタジー小説・大人向けライトノベル)・文庫・一般小説など、代表作の「ゲート」はシリーズ570万部超、「月が導く異世界道中」は140万部超の発行部数。2015年ゲーム事業を開始(2018年関連会社「アルファゲームス」に譲渡)。2017年東宝<9602>とヒットコンテンツ創出・育成で業務提携。2019年絵本投稿サイト「絵本ひろば」のスマートフォン向けアプリをリリース。主要取引先はメディアドゥ、星雲社。
取扱商品
・登録・閲覧プラットフォーム「アルファポリス 電網浮遊都市」(サービス/Webコンテンツ大賞、出版申請制度、投稿インセンティブ)
・書籍出版/ライトノベル代表作「ゲート」「月が導く異世界道中」「とあるおっさんのVRMMO活動記」「異世界でカフェを開店しました」「Re:Monster」
・書籍出版/漫画の代表作)「ゲート」「異世界でカフェを開店しました」「居酒屋ぼったくり」「Re:Monster」
・書籍出版/文庫・一般小説代表作「居酒屋ぼったくり」「異世界でカフェを開店しました」
企業URL
https://www.alphapolis.co.jp/company/

※マネックス証券/銘柄カウンターページより抜粋

ビジネスモデルとしては漫画等のコンテンツの登録・閲覧プラットフォーム「アルファポリス」を介して投稿される小説・漫画などのコンテンツの内から、サイト内でのユーザー評価を参考に、書籍として出版すべきコンテンツを調達、コンテンツの品質・商品力を向上させた後、書籍として出版することで収益を得ています。

一概に電子書籍の販売サイトとは呼べずそのコンテンツの殆どがオリジナル作品という点が他のサービスと大きく異なっています。こうした独自のビジネスモデルもあって利益率が非常に高いです。(2020年3月度は営利業利益率26%!!)

収益に関しては書籍販売のほぼ一本なようで、昨年度(2020年度3月期)の実績ですがその内訳は下記の通りです。漫画が6割近いシェアを占めていますね。

また漫画化された作品は一旦、アルファポリスのWebサイト上で連載し、一定以上の人気が確認された漫画のみ書籍化する」という戦略を取っており、売れない場合のリスクの低減が図られています。

ちなみに出版されている漫画はこんな感じです。

オリジナルコンテンツを扱う、という点において他に同様の事業を展開している企業は殆ど見当たらず、且つ簡単に参入出来るビジネスモデルとも思えず、非常に面白いですね。

 

ではもう少し詳細を見ていきましょう。

 

株式基本指標

私が銘柄のスクリーニングを行う上で重要視している指標を並べてみます。

基本指標

2021/4/99時点の数値

指標

数値

市場

マザーズ

上場年

2014年10月30

株価 3,275円
PER(予) 24.4
PBR(予) 4.43
ROE 15.42%
ROA 12.14%
予想EPS

134.2

自己資本比率 80.7%
発行株式数 9.7(百万)株
配当利回り 0.00%
配当性向 0.00%
現金同等物 5,396(百万)円 / 2021年3月期 第3四半期決算
有利子負債 63(百万)円 / 2021年3月期 第3四半期決算
利益余剰金 5,440(百万)円 / 2021年3月期 第3四半期決算

ほぼ無借金経営で現金が負債合計すらも上回っているくらいですので財務状況は超健全です。上手く有り余るキャッシュを投資や株主還元に回してほしいですね。(まだ配当もゼロですし、、)

 

独自バリュエーションチェック指標

「1%の人が知っている99%勝てる株が見つかる本」を参考に行う将来のROEや配当利回りを参考にした手法です。これで購入銘柄を決めるわけでは無いのですが、参考にしています。

こちらの各指標を使ったバリューチェックの具体的方法はこちらで解説しているので、それぞれの指標を見ていく背景説明は省きます。(詳しくは別記事で解説しています。)

経年営業利益率

2021年度3月期予想

28%
2020年度3月期 26%
2019年度3月期 27%
2018年度3月期 18%
2017年度3月期 5%
2016年度3月期 27%
その他基本的指標 備考/目標基準
配当性向

0.00%

≧50%
増収歴(純利) ≧4年
中期経営目標 × 中計目標は見つからず
20年後もサービスが継続しているか? 〇/△/× で✖は投資NG
7年後の株価予想 3.0倍 ⑦の数字を市場平均利回り1.6%(2018年)で割る

こちらのバリュエーションチェックの手法を用いた場合、長期的(5~7年)に見た株価上昇ポテンシャルは3.0倍程度となっております。

 

株価と業績の推移

経年の業績推移と株価の関係

↓マネックス証券/銘柄スカウターページから抜粋

↓ここ数年の株価の動きです。

 

業績は2017年3月度を除けばずっと増収増益を記録しています。2021年3月度もコロナ禍での巣ごもり需要を受けてか一気に数字を伸ばしています。

株価もそれに連動する形で基本的には右肩上がりではありますが、結構値動きが激しいですね。ここ数年での高値は2021年1月8日の3,940円ですので本年度の予想EPS134.2円から逆算するとPERは29倍程度でした。

ちなみに足元第3四半期までの累計の業績は下記の通りです。

直近決算 2/12日発表の2021年3月期第3四半期決算
金額(百万円) 進捗率 対前年比
売上 5,723 75.3% 43.8%
営利 1,595 76.0% 51.5%
経常 1,600 76.2% 52%
純利 1,008 77.5% 56.5%

こちらの数字を見ると既に進捗率は75%を超えており、昨年比でも約1.5倍になっていますのでコロナ禍で大きく業績を伸ばしたと言えます。ちなみにこの第3四半期の決算発表時に業績予想の上方修正を行っています。

営利 1,700⇒ 2,100(百万円)

純利 1,071⇒ 1,300(百万円)

また↓の過去からの四半期ごとの業績推移を見ていっても4Qに特に数字が落ちるといった季節要因等もなさそうですので、現在進捗率が75%超えていますし業績予想達成の可能性は高そうです。

今年は毎4半期共、昨年比で大きく業績を伸ばしており絶好調ですね。

 

同業他社との割安度の比較もしてみます。

同業種内での割安度(PER)の比較

主な電子書籍のサービスを提供している他銘柄と比較してみます。

会社名 業態 PER 時価総額(億)
フォーサイド ・モビぶっく(電子書籍配信サイト「モビぶっく」、オウンドメディア「Very good」、アプリ企画・製作) 30.4 38
パピレス 電子書籍販売サービス会社。電子書籍レンタル販売サイト「Renta!」 215.7 228
イーブックイニシアティブジャパン 電子書籍販売サービス「ebookJapan」運営 24.5 162
メディアドゥ 電子書籍取次(人気コミック、一般書籍、写真集、雑誌、電子書籍ファイル提供、システム経由提供、オンデマンド配信) 67.3 1,081
ブランジスタ 自社完結型電子雑誌(旅行「旅色」、メンズライフスタイル「GOODA」、ベンチャー・起業「SUPER CEO」、「政経電論」、住まい「マドリーム」、ビューティー「Howb」) 50.6 317

 

パピレスやイーブックイニシアティブジャパンなんかは既成コミックを電子書籍として販売している事業がメインなので少しアルファポリスとは毛色が違うかもしれませんが、自社出版型のサービスとしてはブランジスタなんかが近いかもしれませんね。

アルファポリスもその独自のビジネスモデルと足元の成長性考えればPER30~35倍くらいまで買われても不思議ではないポテンシャルを持っているのではないかと個人的には感じます。

 

直近の業績詳細・将来展望など

もう少し直近の状況や将来展望を細かく見ていってみます。

主に2021年第3四半期の決算短信決算説明資料から読み解きます。

第3四半期累計の売上に関してはすべてのジャンルで売上大幅増となっており、特に主力の漫画に関しては0%増を驚異的な伸びを見せています。

また収益の源泉となるサイト利用者数も右肩上がりです。特に今年度に入ってからはコロナ禍の巣ごもりの需要の影響でか、一気に加速しています。

来年度以降、ワクチン接種などで外出機会などが増えれば伸び率は鈍化していくかもしれませんが、今後も電子書籍での書籍閲覧というトレンドは拡大していくと思われますし、独自コンテンツを主に配信しているアルファポリスではここでしか読めないコンテンツへのコアなファン利用者の大多数を占めている思われるので、他社サービスへの流出等の可能性も低く、今後も堅調に伸びていく可能性が高いのではないでしょうか。

ちなみに電子書籍の市場規模は2019年度で約3,470億円程度とのことで、2019年の出版市場全体では紙+電子で1兆5,432億円というサイズ感の様です。(全国出版協会のデータ) つまり電子書籍市場は占める比率は約22%程度という事になります。全てが電子書籍に置き換わる事は無いと思いますが、コロナの影響や市場の伸び率を考えればあと5年前後で半分程度の比率になっている可能性はかなり高いのではないでしょうか?

 

また今後の方針としても基本路線は変わりませんが、

ちなみに電子書店自体は何と50程の媒体があるようです。(講談社BOOK倶楽部参照)

アルファポリスは電子書店という立ち位置よりは電子書籍出版社としての立ち位置になりますので、特にこうした電子書籍書店との間に立つ電子書籍取次店や電子書店との協業が重要になるわけですね。取次店としてはMedia Doが最大手になるようです。

 

やはり肝となるのはサイトへのコンテンツ投稿の拡大と集客でしょうか、サイトに良質なコンテンツが集まれば集まるほど、閲覧ユーザーも増えていくでしょうし、更に投稿者へのインセンティブを上手く還元出来れば更に投稿が集まり、ユーザーも増えていく、という正のスパイラルに入っていくかと思います。

電子書籍界のyoutubeの様な存在になっていく事を期待したいと思います。

 

では参考にして頂けますと幸いです。Let’s 経済的自由人!!