【銘柄分析】(株)オークファン【2021年9月期 第1四半期決算】

  • 2021年3月30日
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本ページでは(株)オークファンの決算資料などを元に株式投資銘柄としての現状の価値、将来性等を分析していきます。あくまで個人的な分析になるので参考にするもしないも皆様次第です。

最新の決算は2021年2月12日発表の2021年9月期第1四半期決算になります。

会社業態及びビジネスモデル

企業概要 オークションサイト運営会社。在庫価値ソリューション事業(オークション・ショッピングの商品や価格情報の比較・検索・分析サイト「aucfan」運営)、商品流通プラットフォーム事業(卸モール)を展開。在庫価値ソリューション事業はネットショッピング・オークションの相場・統計価格比較サイト「aucfan.com」、在庫価値・診断サービス「zaicoban」、複数ネットショップ管理の一元化「タテンポガイド」等を提供。商品流通プラットフォーム事業はマーケットプレイス「NETSEA」(BtoB卸売り・仕入れプラットフォーム、買い手・売り手事業者をマッチング)、BtoCの寄付型ショッピングサイト「Otameshi」を運営。リアル店舗のデータを取得しO2O支援事業を拡大。2014年ヤフーと連携、「ヤフオク!」出品者育成サービス「オークション出品塾・大学」を開始。2015年DeNAから「NETSEA」を買収(BtoB市場に参入)。2016年セキド<9878>と業務提携。2017年オンラインショッピングの「ネットプライス」をBEENOSから譲受。2020年在庫管理SaaS「zaicoban」をリリース、イーベイ・ジャパンと業務提携。主要取引先はSBI証券、GMOペイメントゲートウェイ。
取扱商品
・オークションサイト「aucfan.com」(ネットショッピング・オークションの相場、統計価格比較サイト)
・在庫の現在価値「Zaicoban」、相場検索・データ分析ツール「aucfan proPlus」、複数ネットショップ管理一元化「TATEMPO GUIDE」、amazon業務効率化ツール「aucfan connect」
・商品流通プラットフォーム(BtoB卸売り・仕入れプラットフォーム「NETSEA」、サンプリングサービス「Otameshi」)
・インキュベーション(国内ベンチャー支援、海外ベンチャー支援)
企業URL
https://aucfan.co.jp/

※マネックス証券/銘柄カウンターページより抜粋

まず事業の全体概要ですが大きく3つのセグメントに分かれています。

面白いのは売上が圧倒的に大きい商品流通プラットフォームの営業利益が一番低く、売上が一番低いインキュベーション事業の営業利益が一番大きいですね。ただ3つの事業がそれぞれバランスよく稼げているようです。

 

オークファンとという会社名なのでオークファンが主力事業かと思いきや既にそれに代わるサービスが育ってきているという事ですね、オークファンは個人向けに提供されているサービスですがBtoB向けの事業も含めて顧客層は幅広く保持しているようです。

それぞれの顧客層向けに展開されているサービスは下記のHP上に掲載されているイラストが分かりやすかったので転用します。

在庫価値ソリューション事業

個人間オークションサイトデータの分析から物販のサポート事業、更に企業向けの商品価格等のデータ分析ツール、ネットショップの一元化管理ツール、在庫管理ツール等を提供しています。

 

商品流通プラットフォーム事業

こちらのOtameshi(オタメシ)というサイトは賞味期限間近などの理由で通常の販売経路では取引できなくなった「ワケあり」商品を、お得な価格で提供しており、更に売上の一部を寄付する寄付型ショッピングサイトという事でSDGsESG投資といった観点からも非常に面白いサービスですね。

 

インキュベーション事業

AI(人工知能)、データ、フィンテック、シェアリングエコノミー等のテクノロジー領域において投資やアドバイザーを行っており、対象は主に国内ベンチャー及び、最近では成長著しいインドネシア、マレーシア、インド、実質GDP成長率7%以上と、世界で最も成長の早い国トップ10に入るアフリカ、最先端技術開発を行うアメリカ及びイスラエルといった海外ベンチャー企業にも投資対象を広げているとのこと。

 

収益モデル

インキューベーションを除いた2事業の収益モデルは下記の通り、昨今の流行のビジネスモデルでもあります。

ではもう少し詳細を見ていきましょう。

 

株式基本指標

私が銘柄のスクリーニングを行う上で重要視している指標を並べてみます。

基本指標

2021/3/30時点の数値

指標

数値

市場

東証マザーズ

上場年

2013年4月25

株価 1,736円
PER(予) 22.4
PBR(予) 2.63
ROE 7.57%
ROA 4.53%
EPS

77.5

自己資本比率 60.5%
発行株式数 10.3(百万)株
配当利回り 0.00%
配当性向 0.00%
現金同等物 3,761(百万)円 / 2021年9月期 第1四半期決算
有利子負債 2,027(百万)円 / 2021年9月期 第1四半期決算
利益余剰金 3,075(百万)円 / 2021年9月期 第1四半期決算

有利子負債はある程度ありますがそれを上回る充分なキャッシュも保持しており、自己資本比率も60%超えと極めて健全な財務状態と言えるかと思います。

 

独自バリュエーションチェック指標

「1%の人が知っている99%勝てる株が見つかる本」を参考に行う将来のROEや配当利回りを参考にした手法です。これで購入銘柄を決めるわけでは無いのですが、参考にしています。

こちらの各指標を使ったバリューチェックの具体的方法はこちらで解説しているので、それぞれの指標を見ていく背景説明は省きます。(詳しくは別記事で解説しています。)

経年営業利益率

2021年9月期予想

12%
2020年9月期 10%
2019年度9月期 10%
2018年度9月期 7%
2017年度9月期 6%
その他基本的指標 備考/目標基準
配当性向

0.0%

≧50%
増収歴(純利) ≧4年
中期経営目標 × 中計目標は見つからず
20年後もサービスが継続しているか? 〇/△/× で✖は投資NG
7年後の株価予想 2.1倍 ⑦の数字を市場平均利回り1.6%(2018年)で割る

こちらのバリュエーションチェックの手法を用いた場合、長期的(5~7年)に見た株価上昇ポテンシャルは2.1倍程度となっています。

過去には営業利益率40%超えの年などもあったので、インキュベーション(投資)事業の成果次第でかなりブレる傾向があるみたいです。

 

株価と直近業績の関係性

経年の業績推移と株価の関係

↓マネックス証券/銘柄スカウターページから抜粋

↓ここ数年の株価の動きです。

経年での成長率はすさまじいものがありますね。2017年~2021年(予測)の4年で見ても売り上げは約3倍、営利~純利益は4~6倍と拡大しています。数字だけみると超成長銘柄だと言えますが、それにしてはPERは22倍台とかなり控えめに見えます。

ここ数年の株価ピークは2021年1月の2,795円で2021年度の予想EPS(77.5円)PERは36倍でした。確かにこの成長率であればそのくらいのPERでも全く不思議ではありません。

ただ2月12日の2021年第1四半期決算発表後に正にナイアガラの如く急落して足元は1,700円台まで落ち込んこんでいます。そしてその決算の中身はというと、、、

直近決算 2/12日発表の2021年9月期第1四半期決算
金額(百万円) 進捗率 対前年比
売上 2,963 27.2% 88.4%
営利 1,224 94.2%
経常 1,215 97.2%
純利 918 114.7%

ナントいうコトでしょう。。。

既にQ1で純利益は予想達成!!してしまっているのではないですか。ちなみに昨年のQ1は赤字だったので対前年比は比較できないことになっております。

何でこの業績でこんなに株価が下落しちゃうんだ?と単純な疑問を持ちますが、実はこの利益は殆どインキュベーション事業からもたらせており、他の主力事業はかなり不調だったんですね、、、

この後もう少し詳しく見ていってみます。

その前に少し、同業他社との割安度比較をしてみます

同業種内での割安度(PER)の比較

同業他社の括りが非常に難しいのですが、、、ネット小売りやECコマース支援等に近い側面はありますのでその辺の銘柄と比較してみます。

会社名 業態 PER 時価総額(億)
アスクル オフィス用品のeコマース会社 30.5 2,304
ラクーンホールディング 会員制eマーケットプレイス会社。企業間取引に特化 69.5 533
MonotaRO 事業者向け工場用間接資材のEコマース会社、 88.7 15,464
ZOZO 日本最大級のファッション通販サイト運営 34.7 10,082
ベガコーポレーション 家具・インテリアのBtoC向けEコマース会社。 17.3 182
エニグモ eマーケットプレイス会社。世界中の個人出品者と個人購入者のファッション製品マッチングサイト「BUYMA(バイマ)」 28.2 611
テモナ ECコマース支援会社。EC事業者向け支援サービスのクラウド型通販システム「サブスクストア」(サブスクリプションコマースに特化、定期購入・頒布会によるショッピングカート付リピート通販)を提供 41.4 93
コマースOne H ECプラットフォーム会社。ECサイト運営支援サービスをSaaS形式にて提供するECプラットフォーム事業を国内中堅・中小ECサイト運営企業向けに提供 55.5 178

オークファンに完全に一致するようなビジネスモデルを展開する同業他社は無いような気もしますが、上記の様な会社群をある程度ハイブリッドした様な形かな~、と思います。

そしてどれもかなり市場からの期待感が強い事を表すようにPERがかなり高めになっています。エニグモなんかは売上規模なんかもオークファンに近くて結構参考になるかもしれませんね。(時価総額は4倍くらいありますが)

この辺の銘柄とのPERの比較や成長性見てもオークファンもPER30∼35倍くらいまでは評価されてもおかしくない業績に感じますが、現状の業績はかなりインキュベーション事業に頼っている面が強いのでそこが中々評価されづらい面なのでしょうか。

やはり本業がしっかり儲かっていないとね、、、

 

直近の業績動向

では直近の2021年6月期第1四半期決算の内容をもう少し掘り下げてみます。

◆四半期別業績推移

結構Q間でブレが出てるのが分かります。

ただ2021年1Qに関しては既述の通り凄まじい利益が出ています。。。。

直近決算 2/12日発表の2021年9月期第1四半期決算
金額(百万円) 進捗率 対前年比
売上 2,963 27.2% 88.4%
営利 1,224 94.2%
経常 1,215 97.2%
純利 918 114.7%

 

やはりこの異常なまでの好業績はインキュベーション事業が大きく貢献しています。というか殆どインキュベーション事業頼みです。

そして事業別の進捗率を見ると実はインキュベーション事業を除いた主力事業は進捗率14.5%と大きくビハインドしていることが分かります。

 

ビジネスモデルと持っている事業やサービスは非常に面白なーと思ったのですが実態は投資会社の様な側面が強いです。特に利益面に関してはかなり投資事業に依存してしまっているので、その聖蹟次第でかなり大きく全体業績も上下してしまいます。

ここ数年はインキュベーション事業の利益への寄与度がかなり高いですね、半面よくよく見ると主力事業はあまり成長していない様にも見えます。というか主力事業は結構ブレが大きいですね。

主力事業は2020年度の売上実績が大体70億円弱に対し、今期の目標が100億円になってます。

ただ営業利益だと2020年度実績が約7億円に対し、今期目標は5億円に落としてるんですね。

この辺の背景がよく分かりません、、、投資先行の広告費の増加や減価償却費用などによる利益押し下げであればまぁ理解できるので、販管費見ると確かに昨年比で60(百万円)上がっているので、4倍すると2億円くらいになるのでまぁ分からなくもないかもしれませんが、、あまり釈然としない面もあります。

 

まぁ2021年度第1四半期決算説明資料内には主力事業に関するトピックがかなり書いてあるので興味ある方は見て頂ければと思いますが、少なくとも第1四半期の結果だけ見る限りは主力事業はかなり苦戦している(進捗率は売上で17%、営利で15%程度です)、ということになりそうです。

最終業績はインキュベーション事業とごっちゃになってるので非常に実態が分かり辛くなってますので、しっかりと主力事業の中身と切り分けてみていくべきでしょう。

投資会社として見るのであれはかなり優秀な業績を残していますが、主力事業だけ見ると足元は残念ながら苦戦していると言わざる得ないですね。。。。

 

では参考にして頂けますと幸いです。Let’s 経済的自由人!!