【銘柄分析】ブリッジインターナショナル(株)【2020年12月期 本決算】

  • 2021年3月10日
  • 2021年3月11日
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本ページではブリッジインターナショナル(株)の決算資料などを元に株式投資銘柄としての現状の価値、将来性等を分析していきます。あくまで個人的な分析になるので参考にするもしないも皆様次第です。

最新の決算は2021年2月12日発表の2020年12月期本決算になります。

会社業態及びビジネスモデル

企業概要 法人向け営業支援会社。BtoB企業に対して「インサイドセールス」(電話やWeb 等の非対面営業)によるアウトソーシング受託業務を主軸にコンサルティングやソリューション提供により法人営業改革を支援。インサイドセールス導入やマーケティングオートメーション導入コンサルティングなどの「しくみの提供」、インサイドセールスの活動・MA運用を実行する「リソースの提供」、人工知能(AI)を中心とする最新デジタルテクノロジーを活用したITソリューション「道具の提供」の3区分サービス。プロセス分業により属人的な訪問営業の効率化、売上増加・戦略立案が可能な組織への変革を提案。AI活用によるデジタルインサイドセールスを推進。2018年インサイドセールス業務を支援するAIツール「SAIN」の販売を開始。2019年ショーケース<3909>(FintechとWebマーケティング支援)とインサイドセールスで業務提携。2020年インサイドセールス大手の米N3社と業務提携。主要取引先は日本マイクロソフト、NTT東日本。
取扱商品
・インサイドセールス/リソース提供(MAアウトソーシング、アウトソーシング/リード発掘・リード育成・維持・更新・クロスセル、運用支援サポート/リモートサポート)
・インサイドセールス/しくみ提供(MAコンサルティング/MA設計支援、インサイドセールス・コンサルティング、インサイドセールス・アセスメント/研修)
・インサイドセールス/道具提供(MA実装支援サービス、CRM/SFA実装支援サービス、営業活動支援ツール、インサイドセールスAIサービス「SAIN」)
企業URL http://bridge-g.com/

※マネックス証券/銘柄カウンターページより抜粋

昨今注目を集めるインサイドセールス専業サービスを提供しています。

従来の外勤型営業であるフィールドセールス(訪問営業)に対し、電話やメール、チャットなどのコミュニケーションツールを活用した内勤型営業をインサイドセールスと呼び、主に遠隔・リモートでの営業活動が主になることから、地方にいる優秀な人材を活用できることが、インサイドセールスのビジネスモデルの強みでもあります。

決算資料内に分かりやすい資料がありましたので掲載しておきます。

昨今の働き方改革の浸透、コロナ禍による訪問型営業の自粛などにより営業の手法が変わりつつあり、且つ世間がその流れを認知し始めています。

そんな状況下でインサイドセールスのリソースを効果的且つ最適に提供できる同社のサービスは今後益々注目を浴びていく可能性が高いと言えるかもしれません。

ビジネスモデルを分解すると売上の90%程度が実際のインサイドセールスのアウトソース(つまり実際にインサイドセールスを行う工程)から発生しているようです。また年間契約のストック型売上となっていることから将来的な収益予想が立てやすく、昨今の株式市場では表を受けやすいモデルだと言えるでしょう。

また現状の既存顧客群としてはIT関連がメインなようですが、徐々に他分野にも拡大していこうとしているようです。

こうして過去から培ってきた音声会話情報やデータを活用しAIを活用した新規サービスの創出といった動きも強めていっているようです。

ではもう少し詳細を見ていきたいと思います。

株式基本指標

私が銘柄のスクリーニングを行う上で重要視している指標を並べてみます。

基本指標

2021/3/10時点の数値

指標

数値

市場

東証マザーズ

上場年

 2018年10月3

株価 2,134円
PER(予) 23.7
PBR(予) 3.13
ROE 12.79%
ROA 10.18%
EPS

90.2

自己資本比率 79.0%
発行株式数 3.54(百万)株
配当利回り 0%
配当性向 0%
現金同等物 1,109(百万)円 / 2020年12月期 本決算短信
有利子負債 100(百万)円 / 2020年12月期 本決算短信
利益余剰金 1,494(百万)円 / 2020年12月期 本決算短信

有利子負債は実質ほぼゼロで自己資本比率も80%程度と極めて健全な財務状態です。

上場後もまだ日が浅く、事業拡大のフェーズであることから配当よりも先数年は新規投資や営業リソースの確保に重点を置くものと思われ、しばらく配当は期待しない方がいいでしょう。

 

独自バリュエーションチェック指標

「1%の人が知っている99%勝てる株が見つかる本」を参考に行う将来のROEや配当利回りを参考にした手法です。これで購入銘柄を決めるわけでは無いのですが、参考にしています。

こちらの各指標を使ったバリューチェックの具体的方法はこちらで解説しているので、それぞれの指標を見ていく背景説明は省きます。(詳しくは別記事で解説しています。)

経年営業利益率

2021年12月期予想

11%
2020年12月期 12%
2019年度12月期 12%
2018年度12月期 12%
2017年度12月期 11%
その他基本的指標 備考/目標基準
配当性向

0%

≧50%
増収歴(純利) ≧4年
中期経営目標 明確な計数目標は無し
20年後もサービスが継続しているか? 〇/△/× で✖は投資NG
7年後の株価予想 1.9倍 ⑦の数字を市場平均利回り1.6%(2018年)で割る

こちらのバリュエーションチェックの手法を用いた場合、長期的(5~7年)に見た株価上昇ポテンシャルは1.9倍程度となっています。

営業利益率は11~12%です。やはり現時点では結局インサイドセールスによる営業代行機能が殆どを占めていますのでそこまで強力な差別化は出来てないのが正直なところかと思います。

ただ今後ノウハウやデータの蓄積、AIの活用によりサービスの質と幅を広げられると一気に評価が高まるポテンシャルは持っていると思われ個人的にはかなり注目したい銘柄の1つではあります。

 

株価と直近業績の関係性

経年の業績推移と株価の関係

↓マネックス証券/銘柄スカウターページから抜粋

↓ここ数年の株価の動きです。

2016年以降堅調に業績を伸ばしていますが、思ったより成長度は高くないですね。特に足元はコロナ禍でインサイドセールスの需要が大きく高まりそうかな、とも思っていましたが業績の成長性もコロナ前と大きく変わらない様です。

勿論コロナ禍の影響を受けずに同じ成長性を維持できている、というのは素晴らしい事ではあるのですが。。。

ただやはりコロナ禍で一時的に市場からの期待度は高まったようで、2020年7月上旬には3,600円程度の株価を記録しています。2020年12月期のEPS実績は81.8円でしたので当時のPERを逆算すると44倍程度と大分割高にはなっていました。

その後想定していたよりも業績の成長性が高くない事が認知され、足元ではピークの3分の2程度まで落ち込んでいます。2021年度12月期予想も発表していますが10%程度の増収という事で確かに高成長銘柄として見るには少々実績及び魅力不足かもしれません。

さてちなみに競合にはどんな会社がありそれぞれ株式市場でどの様な評価(PER)を受けているかも見てみます。

同業種内での割安度(PER)の比較

営業支援・代行関連の代表的銘柄で比べてみました。

会社名 業態 PER
ウィルグループ セールスアウトソーシング(家電量販店販売支援、商品・サービス拡大支援、キャンペーン企画・運営、一般派遣、業務請負、採用代行) 12.4
ダイレクトマーケティングミックス 営業ソリューションサービス会社。24時間・多言語コンタクトセンター運営を基盤に、アウトバウンド・インバウンドコールにより蓄積した解析データをCRM活動支援として顧客に提供。 26.5
エスプール

人材派遣/アウトソーシングサービス(店頭支援サービス、コールセンターサービス、オフィスサポートサービス、アルバイト・パート)

44.7

こうして探してみるとインサイドセールス支援を専業でやってる上場企業は殆ど無いようですね。

人材派遣との線引きが難しいところではありますが、個人的には明確に遠隔での営業支援に力を入れてきたという点を考慮すればインサイドセールスと人材派遣とはちょっと違うのかな、とは思います。

その大きな特徴としては過去からのデータ収集にあると思います。遠隔での活動という点においては過去の活動や履歴のログをしっかりと残す必要があり、その蓄積されたデータ活用の余地というのはかなり大きいのではないかと思っています。

今はまだ種まきの段階かもしれませんが、こうした過去のログをビッグデータとして活用しサービスに展開展開できるようになると非常に面白いのでは、と感じています。

 

直近の業績動向

では実際の2020年12月期本決算の内容をもう少し掘り下げてみます。

直近決算 2/12 日発表の2020年12月期本決算
金額(百万円) 進捗率 対前年比
売上 3,646 98.6% 11.8%
営利 438 100.5% 13.8%
経常 441 100.7% 14.2%
純利 293 101.4% 13.6%

 

◆四半期別業績推移

Q別の業績を見ていくと、コロナ禍の初期(2020年4-6月)は一瞬収益が圧縮されたようですが、それ以降は上手く順応した様で、特に利益面の伸びが著しいですね。

元々インサイドセールスは遠隔での営業活動を基本としているのでコロナ禍での営業手法のノウハウ等には長けていた面もあるでしょうし、このQ3-Q4の伸び率を考慮すれば2021年度もかなり期待出来そうではありますが、意外と業績予想は堅めではあります。

2020年12月期のサービス別の売上高を見てみますと主力サービスのインサイドセールス受託が順調に伸びています。構成割合が90%なのでほぼこの業績次第ではあるのですが。

インサイドセールス事業の2020年度の年間累計顧客数は実は伸びてないんですね。ただ1社あたりの売上高が伸びており、且つ契約年数が1年未満の顧客数の割合が最大である事からも恐らくコロナにより契約終了した顧客と新たに契約した顧客が丁度バランスするような状況だったのかもしれません。

ただこうした営業機能の外注というのは即実行に移せるわけではありませんし、実行までに多少時間がかかるものかと思いますので、コロナが発生した2020年よりも2021年度以降に徐々に広がっていくのではないかと個人的には感じています。

自社の過剰な営業人員を減らさないとインサイドセールスの外注する意味が薄れてしまいますので、こうした改革には時間がかかるものです。

利益面も見てみますと決算資料内にこんなスライドがあります。

こちらのコメント通り結構ここ2年くらいの間に投資を活発化していますね。投資キャッシュフローを見てみると投資拡大期に差し掛かっていると思われますが現金はたっぷりで借り入れも殆ど無い状態ですのでどんどん積極的な投資を進め、未来への種まきを行っていって欲しいものです。

では最後ににその投資の詳細や将来展望等も見てみましょう。

 

新規事業や将来展望

主にHPの情報や直近の決算短信2020年12月期本決算資料から読み解きます。

2021年度12月期展望

まず足元2021年12月期の見通しとしては売上は順調に推移していく一方で減価償却コストが響き営業利益以下は若干伸びが鈍化しますがここは将来への投資フェーズ(インサイドセールスの人員拡大、新規サービスへの投資、基幹システム投資)と考えれば特に問題無いかと思います。

更に内訳を見ていくと主力のインサイドセールスは堅調に推移する一方で現在投資を進める内製⽀
援パッケージ「ANSWERS」や「SAIN]といったサービスの拡大により他2部門の売上を大きく伸ばしていく意気込みです。とはいってもまだまだ売上構成比率は低そうなので収益に大きく寄与するのにはまだ数年程度かかるかもしれません。今期以降の数字への寄与がどの程度になっていくのは今後要注目のポイント化と思われます。

 

その先の中長期的成長の展望

更に中長期的な展望ですが、残念ながら計数の目標は特に発表していない様ですが成長モデルは下記の様に掲げています。

インサイドセールスに関しては市場全体のニーズの高まりや既存顧客群以外の顧客層への浸透によって堅調に推移していくといった予想の様です。むしろ今後の成長のエンジンになっていきそうなのは現在投資フェーズにあるコンサル事業やシステムソリューションサービスでしょうか。

まずコンサル事業への取り組みとしてはDXを支援するコンサル新会社の立上げを行っています。

現時点では売上規模は1億円程度とまだまだ小さいですが今本年度は+65%成長を目指すと発表しており、業績推移に要注目です。

 

またコンサル機能との合わせたサービスとして中小規模の顧客向けのインサイドセールス支援パッケージである「AMSWERS」の拡販を進めています。こちらはインサイドセールスを外注する程ではないけど、小規模にサポート機能を取り入れたいといった中小規模顧客へ向けられたサービスになります。

↓の資料から逆算するとANSWERの売上は

2020年度:61.3(百万円)

2019年度:23.1(百万円)

ですので、3倍近く伸びている計算になりますね。パッケージ型のサービスなので利益率は高いと思いますし、一度損益分岐点(一定の顧客を確保すれば)を超えれば、乗算的に収益に貢献していく可能性が高いでしょう。2021年度以降の売り上げ寄与率の伸びがどうなるか注目していきたいです。

 

またこれまでは受託型開発がメインであったシステムソリューションサービスに関してはAI支援サービス「SAIN」等を中心にサブスクリプション形式のストック型ビジネスに形を変えようとしています。

2020年は従来の受託型開発の売上は落ち込んでいますが、ストック型売上は売上を維持しており、更に2021年度はここの大きく伸ばす(逆に受託開発は縮小)と発表しています。

まだまだ全体から見ると売上の寄与は大きくありませんが、こうしたストック型売上が積みあがってくると数年後(数年後)にはインサイドセールスと並ぶ収益の柱となり、仮にその姿が実現出来れば株式市場からの評価はもう1段階高まる事でしょう。

このビジネスモデルの移行が上手くいくか、どうかを毎期の決算発表でこまめに確認していきたいところです。

ちなみに積極的に投資を進める「SAIN」というサービスは下記の様な内容です。AIでインサイドセールス中の顧客との過去からの膨大な会話内容や結果等を総合的に分析し、適格且つ最適な提案内容を常時提示してくれたり、後で社内での分析・指導に活用できたりする、といったものです。

この精度がどの程度なのかは分かりませんが、熟練度に関わらず属人的にならないセールス活動が出来る様になるのであればブラッシュアップさせていけばかなり面白いサービスかとは思います。

 

また2021年12月期には企業向け研修サービスの提供も開始する様で、確かにこの辺の基礎的セールス手法のノウハウは過去から蓄積してきているでしょうし、サービスの横展開としては効果的といえるかもしれません。

 

とまぁ色々と新たな取り組みにチャレンジしている印象を受け、すべてが想定通りに上手くいくとは限りませんが、将来への期待度という意味では面白そうと感じる会社です。また株主への対外的活動にも力を入れているようにも感じ、その点も今後注目を集めやすいかもしれない、とも感じました。

 

では参考にして頂けますと幸いです!