【銘柄分析】日本ケアサプライ【2021年3月期 第3四半期決算】

  • 2021年3月5日
  • 2021年3月10日
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本ページでは(株)日本ケアサプライの決算資料などを元に株式投資銘柄としての現状の価値、将来性等を分析していきます。あくまで個人的な分析になるので参考にするもしないもあなた次第です。

最新の決算は2021年1月29日発表の2021年3月期第3四半期決算になります。

会社業態及びビジネスモデル

企業概要 福祉用具レンタル会社、三菱商事系列。福祉用具貸与事業者への福祉用具レンタル・卸販売、高齢者生活支援サービス(生活支援物販、食事サービス、在宅介護サービス/通所介護・訪問看護)を提供。介護保険制度の対象となる福祉用具(電動ベッド・車いす・入浴補助用具)を全国の取扱店に貸し出すレンタル卸サービス「グリーンケア」を中心に事業展開。福祉用具レンタル卸から「高齢者生活支援企業」(業者に向けECサイト「グリーンケアオンラインショップ」、医療と介護の連携サービス、在宅高齢者生活支援サービスへ)への取組みを強化。2017年介護施設向け食事サービス開始。2019年アウトレット品の「e-KaigoNetEcos」を開設。2020年綜合警備保障と業務提携。
取扱商品
・福祉用具サプライ(電動ベッド、車いす、入浴補助用具、手すり、スロープ、歩行器、認知症老人徘徊感知機器、移動用リフト)
・福祉用具オリジナル商品(車いす「ケアフィット」「ケアアジャスト」「ケアフィットプラス」、マットレス)
・福祉用具レンタルサービス「グリーンケア」(リサイクルシステム)
・病院・介護施設向け食事サービス(弁当)、在宅介護サービス「ライフタイム」(訪問看護、通所介護、福祉用具貸与・販売、居宅介護支援)
・通信販売ショップ「グリーンケアオンラインショップ」「e-KaigoNet」
「Qt」
企業URL https://www.caresupply.co.jp/

※マネックス証券/銘柄カウンターページより抜粋

ビジネスモデルは非常に分かりやすく、福祉用具レンタル・販売です。

介護保険の対象となる電動ベッド、車いす、入浴補助用具などの福祉用具を、地域の福祉用具貸与事業者(以下、グリーンケア取扱店)にレンタルまたは販売を行う事業。HP上にビジネスモデルが1目で分かる図がありましたので掲載します。

レンタルを個なった福祉用具は再度ケアサプライが回収し、洗浄・消毒・点検・修理して、再び貸し出しを行うリサイクルシステムとなっている。

取り扱う商品の1例は下記の様な福祉用具。

後は車いす、歩行器、補助杖、更に調整食品等も。また自社でのオリジナル商品の開発なども行っているようです。主には車いすやマットレス等の様です。

こういった商品を全国に散らばる営業拠点から各エリアのグリーンケア取扱店(福祉用具貸与事業者)に対して販売しているわけですね。農協みたいなシステムで利権にもかなり守られていそうで、簡単に参入できる業界ではないのかもしれませんね。

なんとまぁ旧来型の昔ながらの商売だなぁという印象が非常に強かったなのですが、業績は堅調に伸びているんですね。確かに高齢化がますます進む日本では市場規模としては拡大の一途でしょうし、もし競合が新規参入しないのであればこのまま派手さは無くても右肩上がりで伸びていく可能性は高そうですね。

もう少し詳細を見ていきたいと思います。

株式基本指標

私が銘柄のスクリーニングを行う上で重要視している指標を並べてみます。

基本指標

2021/3/4時点の数値

指標

数値

市場

東証2部

上場年

2004年2月27

株価 1,700円
PER 15.1
PBR 1.85
ROE 11.32%
ROA 8.03%
EPS

112.63

自己資本比率 75.3%
発行株式数 15.5(百万)株
配当利回り 1.53%
配当性向 47.8%
現金同等物 1,617(百万)円 / 2021年3月期 第3四半期短信
有利子負債 20(百万)円 / 2021年3月期 第3四半期短信
利益余剰金 1,858(百万)円 / 2021年3月期 第3四半期短信

有利子負債は実質ほぼゼロの無借金計営です、ただ日本ケアサプライはレンタル用品や全国に洗浄消毒設備の固定資産をかなりの割合で有していることから固定資産の減損等のリスクはあります。ただ自己資本で賄っているのでそこまで大きな問題は無いかと思われます。

 

独自バリュエーションチェック指標

「1%の人が知っている99%勝てる株が見つかる本」を参考に行う将来のROEや配当利回りを参考にした手法です。これで購入銘柄を決めるわけでは無いのですが、参考にしています。

こちらの各指標を使ったバリューチェックの具体的方法はこちらで解説しているので、それぞれの指標を見ていく背景説明は省きます。(詳しくは別記事で解説しています。)

経年営業利益率

2021年3月期 予想

12%
2020年3月期 11%
2019年度3月期 12%
2018年度3月期 11%
2017年度3月期 11%
その他基本的指標 備考/目標基準
配当性向

47.8%

≧50%
増収歴(純利) ≧4年
中期経営目標 2021年3月期までの計画
20年後もサービスが継続しているか? 〇/△/× で✖は投資NG
7年後の株価予想 2.3倍 ⑦の数字を市場平均利回り1.6%(2018年)で割る

こちらのバリュエーションチェックの手法を用いた場合、長期的(5~7年)に見た株価上昇ポテンシャルは2.3倍程度となっています。

営業利益率はそこそこ、ですが10%超えているので及第点としても問題無いかと思われます。

ビジネスモデルが介護保険制度の介護保険料(つまり税金)と間接的に関わっているため、あまり暴利を貪るのも難しいといえるでしょう。

株価と直近業績の関係性

経年の業績推移と株価の関係

↓マネックス証券/銘柄スカウターページから抜粋

↓ここ数年の株価の動きです。

急速にとは言えませんが、業績はよく言えば堅調に、悪く言えば地味に右肩上がりを続けています。

株価も殆ど大きな動きは無く、コロナ禍の2019年3月は流石に下落していますがそれでも俗にいうナイアガラというほどは落ちていません。

株価は直近の2021年2月末頃につけた1,791円がここ数年ではピークです。PERは15~20倍をうろうろしている感じで、大きく値動きする可能性はあまり高くなさそうなので配当も3%弱と悪くないですし、のんびり配当目的で長期ホールド、という考え方で保持するのもいいかもしれませんね。

ただここ数年は2018年から純利益の伸びが鈍化していたこともあり配当も横ばいです。今年は久々に2桁増益になりそうですし、今年サプライズ増配か来年あたりは増配もあり得るかもしれませんね。

 

さて気になる競合他社も見てみましょうか。

同業種内での割安度(PER)の比較

福祉用具関連の代表的銘柄で比べてみました。

会社名 業態 PER
パラマウントベッド 医療・介護用のベッドメーカー、国内最大手。医療施設・介護施設・在宅介護向けのベッド・マットレス・病室用家具・医療用器具備品の製造・販売、福祉用具のレンタル卸、メンテナンスサービス。 18.3
プラッツ 電動ベッドメーカー。医療用・介護用電動ベッド製品 27.9
幸和製作所

福祉用具・介護用品メーカー。「テイコブ」「ジェンティルマローネ」ブランドの福祉介護用品(歩行車・歩行補助カート、シルバーカー、手すり、杖、入浴補助具、ライフサポート用品)の製造と販売

18.3
ブティックス

介護関連のマッチングビジネス会社。介護事業者・サプライヤーを対象とした商談型展示会「CareTEX」の開催、介護施設・介護事業者向けM&A仲介サービス、「介護食」に特化したBtoB通販を営む。

114.5
トーカイ

健康生活サービス(病院関連サービス、介護用品レンタル、寝具・リネンサプライ、給食サービス、クリーニング設備の製造・販売、水宅配「アクアクララ」)

18.6

 

あまり福祉用具のレンタル、販売を専業でやってる会社は無いんですね。ただこういった介護業界向けの銘柄は全体的にあまりPERが高くなさそうですね。

ただ日本ケアサプライはPER15~16倍程度ですし、業績も好調なのでこれらの会社と比べても比較的割安には思えます。PER20倍くらいまでは伸びても全くおかしくは無さそうですね。

 

直近の業績動向

では実際の2021年3月期第3四半期の決算内容をもう少し掘り下げてみます。

直近決算 1/29 日発表の2021年3月期第3四半期決算
金額(百万円) 進捗率 対前年比
売上 15,526 74.6% 9.6%
営利 2,126 85.0% 32.1%
経常 2,141 85.6% 32.4%
純利 1,407 80.4% 33.9%

 

◆四半期別業績推移

 

2016年以降一貫して増収であり、今年に関しては利益面でも昨年比で30%超えの成長率です。コロナ禍でも全く影響を受けずに業績を伸ばしています。

既に収益面では進捗率は80~85%となっており今期の予想達成はかなり堅そうです。

好調な業績の内訳を見ていってみます。

まず売上の伸び率に対して著しく利益が伸びているのは決算短信内にはこうコメントされています。

これ以上詳細は記載されていないのですがコロナ禍により営業活動を主にオンラインに切り替えた事により営業費用が圧縮されたという事でしょう。

損益計算書から見ても売上高に対する「販管費及び一般管理費の比率」は

昨年度:28%   

今年度:26%

と2%程ですが改善されているのが分かります。

ちなみに2021年度3月期第2四半期の資料ですが営業利益の内訳に関して詳細書かれています。

通常の福祉用具のレンタル・販売サービスはコロナ禍とはいえ大きく伸びています。やはり高齢者大国の日本においては不況時、こうした混乱時でも高齢者向け福祉事業は非常に底堅いという事なのでしょう。

正直足元の業績に関しての説明が決算資料や決算短信内に殆ど記載されていないのでこれ以上細かい内訳を知るのが難しいというのが正直なところです。

参考資料になりますが、日本ケアサプライ内で保持するレンタル用福祉用具などの資産としての推移です。減価償却を含めた資産額は年々増加しており、需要はやはり順調に拡大しているのだと読み取る事が出来ます。

最後に将来展望等も見てみましょう。

新規事業や将来展望

主にHPの情報や直近の決算短信2021年3月期第2四半期資料から読み解きます。(第3四半期は決算資料がまだ発行されていないようなので)

発表されている中期経営計画の計数目標は下記の通りです。2021年度の売上予想が208億円でおそらく達成する可能性は高そうですので、来期に約4~5%程度のストレッチとなりますのでかなり現実的な数字だと言えるでしょうか。

更に中長期ではどんな展望や将来像を描いているのでしょうか?

足元では既にコロナ禍に対応したオンラインでの営業活動に軸足を移しており、実際に売り上げ増、コスト減も達成できています。

 

面白そうな取り組みとしては「e-KaigoNet System」というシステムの提供でしょうか。グリーンケア取扱店との受発注業務のオンライン化や福祉用具の貸し出しデータやその他の業務に関わる内容をサポートするシステムで、恐らく規模の小さな事業者が多いグリーンケア取扱店ではまだまだIT化の推進が遅れていると思われこういった業務効率化を推進するシステムの提供は必須であるでしょう。

またそこから派生したサービスも推進しています。

 

こちらはオンラインで福祉用具を注文可能。介護用ベッドから消耗品まで豊富なラインナップを取り揃えたWEB販売システム。

 

また食事サービスの提供等も既に多くの事業者が手掛けているエリアではありますが既に多くの販売網を持っているケアサプライであればなかなか面白いかもしれません。

 

 

更に直近2020年12月からの取り組みですが、個人的にはこちらの(株)CDIとの資本提携です。

こちらの資本提携に関する記事に飛んで頂くと詳細が記載されていますが、CDIは人工知能(AI)を用いて自立支援型ケアマネジメントを支援するシステム(以下「AIケアプラン」)を日本で初めて開発し、商用化しています。AIを活用したケアプランを広く拡大することで業界の生産性効率化や人出不足の問題等を解決する様な前例を作ってくれると非常に社会的にも注目されるのではないでしょうか?

市場全体としては間違いなく高齢化が進む中でパイは広がり続けるでしょうし、社会的な課題ともなっている介護業務の従事者不足などの問題にもAIの活用などでどんどん取り組んでいって欲しいですね。その先には会社としての業績もきっと付いてくると思われます。