【銘柄分析】イントラスト【2021年3月期 第3四半期決算】

  • 2021年3月3日
  • 2021年3月5日
  • 未分類
  • 5view
  • 0件

本ページでは(株)イントラストの決算資料などを元に株式投資銘柄としての現状の価値、将来性等を分析していきます。あくまで個人的な分析になるので参考にするもしないもあなた次第です。

最新の決算は2021年1月29日発表の2021年3月期第3四半期決算になります。

会社業態及びビジネスモデル

企業概要 保証サービス会社、プレステージ・インターナショナルの子会社。連帯保証人不要スキームによる保証商品サービス(家賃債務、介護費、医療費、養育費)、ソリューション(業務受託、SMS送信、保険デスク)の提供。主力の家賃債務保証商品は、賃貸契約等の締結時に保証委託契約を締結し連帯保証人となることで賃料等の滞納リスクを引き受けるサービス。提携する不動産管理会社ごとに個別の保証商品をカスタマイズ、それぞれのオリジナル保証商品として提案。介護費用・医療費用保証分野は医療機関・介護施設との提携を促進。主要取引先は大和リビング、大和ハウスフィナンシャル。
取扱商品
・家賃債務保証商品(連帯保証人代行システム、家賃決済クレジットサービス付商品)
・医療費用保証商品(入院患者向け、医療機関向け)、介護費用保証商品(介護施設の利用料等の滞納リスク引受)、養育費保証商品(養育費立替)
・「Doc-on」サービス(SMS/ショートメッセージサービス一括送信業務、コールセンター機能、クレジットカード決済機能)
・コンサル&オペレーションサービス(入居申込受付、審査、未入金案内、債権管理支援)、保険デスクサービス
「Qt」
企業URL https://www.entrust-inc.jp/

※マネックス証券/銘柄カウンターページより抜粋

↓決算説明資料からの抜粋ですが事業内容は下記の通りです。

大きく分けて保証事業とソリューション事業という形で事業展開していますがこの図だけ見ても何のこっちゃよくわかりませんね。事業別売上規模は下記の通り。(全体像の実態が分かりやすいように2020年3月期決算の数字です)

保障事業とソリューション事業の規模はほぼ半々となっています。

 

保障事業のビジネスモデル

こちらの主力商品は家賃債務保証です。部屋を借りる際に必要となる連帯保証人をイントラストが請け負い、管理会社における賃料等の滞納リスクを保証する商品。

その他にも医療費用保証(入院や通院される際の連帯保証人の請負)、介護費用保障(介護施設の部屋を借りる際の連帯保証人請負)、養育費保証(養育費を支払う方の連帯保証人となり、未払いが生じた際に養育費の立替えや督促を行う)

まぁ簡単に言うと少し変わった形の保険商品になるわけですが稀に生じる滞納リスク(費用)を全体でカバーしているわけですね。いかに滞納率を低く抑えるか、の事前審査が非常に重要になります。

中国なんかでは審査をAIに任せる事で、こういった滞納リスクを非常に低く抑えた融資(アリババの子会社のアント)や保険サービス(平安保険)を扱う企業が大きく評価されていますので、その辺のモデルを踏襲出来ると面白いですが。

 

ソリューション事業のビジネスモデル

主力の保障サービスを提供するために付随する実務的な業務ををそれぞれ切り売りしたような事業の様です。

これらは主に賃貸不動産の入居者等を対象としたサービスとなり、不動産管理会社等からの業務受託という形で事業を行っているようです。

 

株式基本指標

私が銘柄のスクリーニングを行う上で重要視している指標を並べてみます。

基本指標

2021/3/3時点の数値

指標

数値

市場

東証2部⇒東証1部

上場年

2016年12月07日⇒2017年12月07日

株価 686円
PER 19.4
PBR 4.12
ROE 21.99%
ROA 15.68%
EPS

35.39

自己資本比率 71.4%
発行株式数 22.3(百万)株
配当利回り 1.53%
配当性向 29.1%
現金同等物 2,824(百万)円 / 2021年3月期 第3四半期短信
有利子負債 0(百万)円 / 2021年3月期 第3四半期短信
利益余剰金 1,858(百万)円 / 2021年3月期 第3四半期短信

有利子負債は実質ほぼゼロで現金もタップリです。財務面では全く問題なさそうです。

 

独自バリュエーションチェック指標

「1%の人が知っている99%勝てる株が見つかる本」を参考に行う将来のROEや配当利回りを参考にした手法です。これで購入銘柄を決めるわけでは無いのですが、参考にしています。

こちらの各指標を使ったバリューチェックの具体的方法はこちらで解説しているので、それぞれの指標を見ていく背景説明は省きます。(詳しくは別記事で解説しています。)

経年営業利益率
2021年3月期 第3四半期累計実績 27%

2021年3月期 予想

27%
2020年3月期 28%
2019年度3月期 27%
2018年度3月期 26%
2017年度3月期 22%
その他基本的指標 備考/目標基準
配当性向

29.1%

≧50%
増収歴(純利) ≧4年
中期経営目標 2021年3月期までの計画
20年後もサービスが継続しているか? 〇/△/× で✖は投資NG
7年後の株価予想 3.4倍 ⑦の数字を市場平均利回り1.6%(2018年)で割る

長期的(5~7年)に見た株価上昇ポテンシャルは3.4倍程度とかなり高くなっています。

営業利益も非常に高く、更にここ3年くらいの間で利益率も徐々にアップしてきています。詳細を見ていってみようと思います。

株価と直近業績の関係性

経年の業績推移と株価の関係

↓マネックス証券/銘柄スカウターページから抜粋

 

↓ここ数年の株価の動きです。

 

業績は上場後右肩上がりで増収・増益しており非常に堅調に見えますが、株価直近かなり落ち込んできているようです。これだけ好調な業績を残しているのここまで下げているのは少し不思議ですね。

おそらく第3四半期の決算で成長率が鈍化がみられた事が原因なのかもしれませんが、それでもまだ昨年比でプラスですが。。。

株価のピークは2018年の2月で1,000円でした。2018年3月期のEPSが22.8円でしたので当時のPERは44倍程度でした。その後も伸び率が鈍化したとはいえ2019年頭には上場後最安値圏にまで株価が下落しており業績と株価が連動しない銘柄です。

逆に言うと業績が順調に伸びているのに株価が大きく下落している今は買い時なのかもしれません。

同業他社とも割安度(PER)を比較してみます。

 

同業種内での割安度(PER)の比較

家賃債務保証を行っているの代表的銘柄で比べてみました。

会社名 業態 PER
Casa 家賃債務保証の不動産テック会社。賃借人の家賃滞納リスクを保証する家賃債務保証サービス 10.2
ジェイリース

家賃債務保証会社。大分を地盤に東京・九州圏を中心に自社店舗網とアライアンスにより賃貸不動産の家賃債務保証業

13.3
あんしん保証

不動産賃貸借の家賃保証サービス会社。賃貸借契約における家賃債務の人的保証(連帯保証人制度を法人として引き受ける機関保証会社)による家賃債務の保証事業(保証商品の販売)を展開

16.4
ラクーンホールディングス

保証(売掛債権保証「T&G売掛保証サービス」、中小企業向け売掛保証サービス「URIHO」、専業用家賃保証サービス)以外も会員制eマーケットプレイス会社。企業間取引に特化、

55
日本モーゲージサービス

住宅金融サービス会社。住宅関連事業者へのソリューション提供

14.2

ラクーンホールディングス以外はイントラストとほぼ似たような家賃債務保証を主力事業としていえる会社ですがどこもPER低めですね。

むしろイントラストは割高な業績が好調なこともあり他社よりも評価されているので若干割高にすらなっているともいえるかもしれません。やはり不動産に関わる事業ですし、全体的に市場からの評価(=PER)は低くなりがち、という事ですね。

不動産業界は典型的な景気敏感銘柄であると認識されており、景気によって業績のアップダウンが激しい事もありが低くなりがちです。実際に2021年1月の東証1部の不動産業全体の平均はPERは12.8倍でした。

よってイントラストの20倍弱という今の株価水準は決して割安とは言えなさそうです。

 

直近の業績動向

では実際の2021年3月期第3四半期の決算内容をもう少し掘り下げてみます。

直近決算 1/29 日発表の2021年3月期第3四半期決算
金額(百万円) 進捗率 対前年比
売上 3,061 72% 17.3%
営利 841 72.1% 12.0%
経常 844 72.1% 11.8%
純利 558 70.6% 11.0%

 

◆四半期別業績推移

2018年3Q以降は一貫して増収増益を達成しており、今期予想も上場後の最高益となっています。進捗率が70∼75%ということなのでかなりギリギリですが、過去の傾向から見ても4Qは引っ越しシーズンであることからも業績が1Q-3Qと比べても若干上がると見込まれるので、おそらく通期での達成は見込めるのではないでしょうか。ただ非常事態宣言等の影響もあり引っ越し数自体が減ってしまう可能性はあるかもしれませんが。。。

更にここまでの業績動向を細かく見てみます。

ソリューション事業はコロナ禍では昨年比ではやや微増~ほぼ横ばい状態、保証事業はコロナ禍(2020年4月以降)でも順調に伸びています。医療費用保障と家賃債務が共に伸びているようです。

ちなみに医療費用保障の売上は↓の通り保障事業の中の大体5~6分の1程度程度です。それでも今年度は非常に大きく伸びているようで、今年度の見込みは昨年比300%増程度の模様。

医療費用保障は手術や入院時に病院から、その費用の支払を担保するために連帯保証人を求められた際に、イントラストがその役目を担う、というものです。詳細は記載されていませんがコロナによる入院患者など向けの需要が伸びたのでしょうか・・・?

 

 

また家賃債務を対象にした保有件数は下記の通りで債務保証+ソリューション事業で統合した数が統計として掲載されていますが、やはりイントラストのほとんどの売上は家賃債務保障由来のものであり、いかにこの契約数を伸ばすか、という点が業績に大きくかかわるようです。

 

コロナ禍とはいえ、逆に家賃債務保証の保有件数は伸びておりコロナ禍でも追い風を受けているようです。ジェイリース、あんしん保障、Casaといった同業他社見てもどこも業績は好調なようです。

(↓)家賃保証は初回契約時の保証料と更新の際の保証料が売上計上される様です。

ただ逆に競合他社と比較した際に優位性や将来の成長性が非常に見えづらい面もあります。結局は不動産景気に左右されてしまう要素が大きく、今後人口減や空き家問題等も顕在化してくる中で中々先の成長性が見出しづらい面がPERが低くなりがちな要因なのかもしれません。

冒頭に少し既述したようなAIを駆使した審査等不動産テックの要素を取り入れていければ市場からの評価も一気に高まる可能性があるかもしれませんが、、、

 

新規事業や将来展望

主に直近の2021年3月期第3四半期資料中期経営計画から読み解きます。こちらの資料内には当期決算の内容よりも先に新中期経営計画が発表されています。

2021年3月期までの中期経営計画の目標は売上:50億円、営利:12.5億円でした。

正直今の進捗率から言うとここまでストレッチさせるのは難しそうですので未達に終わりそうです。

 

おそらく来年度以降の中期経営計画も本決算時に発表されるのかと思われますが、、、現状は少なくとも具体的な成長戦略が殆ど描かれておらずかなり漠然としている、という印象を持ってしまいます。

勝ちパターン確立って、、、何なのですかね、あまりに漠然としすぎている気がします。

せめて今流行りのDX化を進めます、とか書いた方が株主には受けがいい気がします。投資というワードも出てくるのですが基幹システムとかどちらかというと業務効率化の側面が強そうです。

とりあえず次期中期経営計画(2021年4~5月頃発表の本決算内で?)で刺激的な内容が出てくる事を楽しみに待ちたいと思います。