【銘柄分析】三協フロンテア【2021年3月期第3四半期 決算】

  • 2021年2月20日
  • 2021年2月25日
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ユニットハウス、トランクルーム、レンタルスペース等の事業を行う三協フロンティアですが業績はコロナ禍でも底堅い業績を見せて居ながらもPERも非常に割安であり、どんなビジネスモデルなのか、将来性が見込めるかどうかを少し分析してみました。

最新の決算は2月1日発表の2021年度3月期の第3四半期決算になります。

会社業態及びビジネスモデル

企業概要 ユニットハウスの大手メーカー。恒久建築(会社事務所・店舗・商業施設)から仮設事務所(建設現場・プラント内)、イベント施設、仮店舗のユニットハウス・プレハブのレンタルと販売。建設現場事務所を中心に、イベント施設・応急仮設住宅、建て替え期間中の仮店舗・仮事務所などで利用される器材レンタル業を展開。その他、中古・土地活用サービス、トランクルーム(400店舗超)・レンタルスペースの貸与、立体駐車装置の製造・販売・レンタル。2018年サッカ−柏レイソルのスタジアム命名権取得(三協フロンテア柏スタジアム)。2019年レンタルスペースサービスを開始。
取扱商品
・短期利用ユニットハウス(建設現場事務所、プラント向け施設、イベント施設、仮設校舎・園舎、住宅販売事務所、仮店舗・仮事務所、倉庫)
・中長期利用ユニットハウス(宿舎レンタル・販売、工場内施設、総合病院内施設、診療所・調剤薬局、教室、クラブハウス)
・トランクルーム店舗「ユースペース」(屋内型、屋外型)、レンタルスペース(レンタルオフィス、カルチャー教室、パーティルーム)
・立体式駐車装置(単純昇降式駐車場、昇降横行式駐車場)
・植物工場(ユニットハウス式「やさいばこ」、やさい直売所)
企業URL http://www.sankyofrontier.com/

※マネックス証券/銘柄カウンターページより抜粋

コロナ前、2020年3月期(昨年度決算)の事業別売上構成は下記の通りです。

全体売上の7割近くが仮設スペースのレンタルや販売となっております。本設というのは実際に施工される建築物の事を指すようです。この本設レンタル・販売関係の事業が売上の20%程度を占めており、この2つの事業で9割以上を占めています。

基本的にはユニットハウスのレンタルや販売が主力で工期やコスト、等を圧縮したい、という用途で多く使用されます。(仮設と本設の違いがイマイチ分かりませんが建築物の規模等で区分けしていると思われます)

 

 

主力商品:様々な用途向けのユニットハウスのレンタル販売

1日~週単位で用途に合わせたユニットハウスをレンタルもしく販売しており、この事業が一番の柱ですね。用途としてはこんな感じ。

またもっと長期で利用したい、という際は購入も可能で用途としてはこんな感じです。

 

後はレンタルスペースや立体式駐車装置といった駐車場向け施設等も商品群としてあるようです。

 

では業績の中身をもう少し分析していきたいと思います。

 

株式基本指標

私が銘柄のスクリーニングを行う上で重要視している指標を並べてみます。

基本指標

2021/2/17時点の数値

指標

数値

市場

JASDAQ

上場年

1993年11月17日

株価 3,775円
PER 8.9
PBR 1.1
ROE 13.68%
ROA 7.53%
EPS 422.94円
自己資本比率 56.4%
発行株式数 11(百万)株
配当利回り 3.18%
配当性向 28.6%
現金同等物 4,706(百万)円 / 2021年3月期第3四半期決算短信より
有利子負債 9,480(百万)円 /2021年3月期第3四半期決算短信より
利益余剰金 33,993(百万)円 / 2021年3月期第3四半期決算短信より

有利子負債が現金の倍程度と少し多めですが、先行してレンタル用の固定資産に先行投資するためにキャッシュを確保する必要があるビジネスモデルですのである程度の借り入れは仕方ないのでしょう。

その割には自己資本比率は50%を超えており、これまでしっかり利益を積み上げてきている証拠でしょう。有利子負債も純利益の2倍程度ですので殆ど気にするほどの財務状態ではないかと思われます。(これが5倍以上や10倍以上、となると危険水域になります)

 

独自バリュエーションチェック指標

「1%の人が知っている99%勝てる株が見つかる本」を参考に行う将来のROEや配当利回りを参考にした手法です。これで購入銘柄を決めるわけでは無いのですが、参考にしています。

こちらの各指標を使ったバリューチェックの具体的方法はこちらで解説しているので、それぞれの指標を見ていく背景説明は省きます。(詳しくは別記事で解説しています。)

経年営業利益率
2021年3月期第3四半期累計 16%

2021年3月期(予測)

16%
2020年3月期(実績) 16%
2019年3月期(実績) 14%
2018年3月期(実績) 14%
その他基本的指標 備考/目標基準
配当性向

28.6%

≧50%
増収歴(純利) ≧4年
中期経営目標 × 無し
20年後もサービスが継続しているか? 〇/△/× で✖は投資NG
7年後の株価予想 7.7倍 ⑦の数字を市場平均利回り1.6%(2018年)で割る

長期的に見た株価上昇ポテンシャルはなんど7.7倍程度とかなり高くなっています。

利益率も高く、近年増加傾向にあります。爆発的ではありませんが業績もずっとずっと右肩上がりで配当原資となる自己資本(利益余剰金)も順調に積みあがっており、配当も基本的には増配を続けており利回りは3%超えと中々魅力的。

これでPERは8倍台と一見かなり割安に見えますが、もう少し細かい事業構造と足元の業績も見てみましょう。

 

 

株価と直近業績の関係性

経年の業績推移と株価の関係

↓マネックス証券/銘柄スカウターページから抜粋

↓ここ数年の株価の動きです。

 

増収率は高くないのですがここ数年は一貫して右肩上がり、利益は今年度の予想は横ばいですが、過去の数年間は平均して15%程度の成長率を残しています。ビジネスモデル自体は大きな変化は無さそうに見えますが、営利率もここ数年で2%程度改善されていますしコスト削減や効率化により高収益体制になってきているように思えます。

ただ株価は2018年中ごろからほとんど横ばいの水準です。2020年のコロナ前の2月の4,400円程度でピークを付けていますが、その後は戻り切っていません。当時の2020年3月度のEPS実績は419円でしたので株価ピークの再ですらもPERは11倍切るくらいですね。

安定して業績を成長させているにも関わらず中々株価が上がってこないのは何か理由があるのでしょか、、、確かに旧来的なビジネスモデルではありますし、単純に大幅な業績アップが見込みづらい分、割安に放置されているのかもしれませんが。

同業界や同業他社も見てみましょう。

同業種内での割安度(PER)の比較

似たような業種の同業他社のPERを見てみます。

会社名 業態 PER
タカミヤ 建設用仮設機材メーカー&販売会社 18.7
アルインコ 仮設機材メーカー。建設機材(仮設機材・仮設足場材・仮設観覧席)の製造・販売・レンタル 13.7
ナガワ

ユニットハウスの大手メーカー、レンタル・販売まで

60.5
東海リース

仮設建物リース会社

27.0

一番ビジネスモデルが近そうなのはナガワと東海リースでしょうか。

ナガワに関しては三協フロンティア同様に業績も堅調でPERは何と60.5倍です。業績だけ見れば三協フロンティアも負けてないのですがね、、、非常に市場からの評価は異なっています。

東海リースは過去から業績は右肩下がりで少し苦しんでるようですが、PERは27倍もあるので三協フロンティはかなり割安な様に見えますね。

 

直近の業績動向

では実際の2021年3月期第3四半期の足元の業績はどうでしょうか?

直近決算 1/29 日発表の第3四半期累計実績
金額(百万円) 進捗率 対前年比
売上 34,756 72.7% 6.2%
営利 5,616 74.9% 8.6%
経常 5,615 74.9% 8.5%
純利 3,575 76.1% 9.8%

◆四半期別業績推移

第3四半期まではコロナ禍でも非常に好調な業績と言えそうです。というか2018年から四半期別に見ても一度(2019年3月期本決算)を除いてずーーーと昨年比で上振れする業績を残してるんですね。

2021年3月期の2Q-3Qは少し鈍化してますが、ここまででも進捗率はほぼ75%で、しかもここ数年の傾向を見ると2Qと4Q(1-3月)に利益が集中する様になっていますので、今期の予想上振れはかなり堅いのではないでしょうか?このまま4Qもこのままの流れで昨年比5~10%増の実績となれば、最終的に営利ベースで8,000~8,300(百万円)程度で最終着地となる見込みが強く、そうなると昨年比ベースでも10~15%増、今期予想比ででも10%程度の上振れとなります。

↓の過去からの業績予想修正の履歴を見ていくと結構ここ2-3年ではずっと情報修正していますので、少し堅めの数字を出す傾向が最近は強いのかもしれません。だとすれば今年もここまでの業績と4Qで利益がある程度集中する傾向を考えれば上方修正となる可能性はかなり高そうです。

 

今年度の業績の細かい内訳をもう少しみていってみます。

↓直近の決算短信内のコメントですがやはりコロナ禍による生活スタイルの変化が追い風となっているようです。

下記使用は本年度中間決算時のものですが(第3四半期は決算説明資料無し)、本設レンタルとパーキング以外以外の事業は堅調です。

本設レンタルはイベント向けが多いようなのでここは最もコロナの影響を受けてしまっている業界の1つですね。パーキング向けも言わずもがなです。

一方でコロナ禍のポジティブな影響として病院の発熱外来向け、倉庫やちょっとしたトレーニングジム、テレワーク向け簡易施設やキャンプ場向けの簡易施設向け等が好調なことによりネガティブな要因を上回る追い風も受けています。

各用途向けの売上の細かいデータなどは公表されていないので何とも言えませんが、発熱外来向け用途は既に一巡し、コロナ禍の収束と共に無くなっていくのではないでしょうか。

ただその他の用途に関しては少なくともこの先数年は継続して需要が高まっていく可能性は十分にあるといえそうです。

 

新規事業や将来展望

こちらの会社はあまり将来展望等の具体的な社外公示が少なく、新しい先進的な取り組み等もあまり見つけられないので、その辺が業績好調ながらも株価は大分割安に放置されている要因かもしれません。

ただ若干近視眼的な見方にはなりますが、下記資料にも記載の通りこの先数年はコロナが人々に与えた脅威は根強く記憶に残り潜在的に蜜を避ける意識は強まっていく傾向であることはほぼ間違いないでしょうか。

そう考えれば既にそういった用途向けに堅調に販売を伸ばしている事を考えれば暫くは既存ビジネスの拡大をテコに業績の右肩上がりが期待できる可能性が高そうです。

その先の将来展望まで具体的な戦略・プランを経営陣には着手・積極的な社外への発信を行っていってくれると一気に市場からの評価が一変する事もあり得るかもしれませんね。

三協フロンティアが紹介されるニュース記事にも古民家改修やワケーション向け施設改修などのニーズも出てきているようで、この辺は今後も拡大期待できる面白いジャンルなのかもしれません。

 

また競合他社で1つのベンチマークになりそうなのは類似ビジネスを展開するナガワでしょうか。(下記の業績推移と株価推移を参照ください)

足元の業績は好調ですがコロナ禍前までは減益が続いていましたし、株価もコロナショックから倍以上まで上がっています。単純に業績だけ見れば三協フロンティアの方が好調にも見えますが。。。この差は一体、、、

 

 

纏め・総論

個人的見解ですが総論としては下記の通りです。(あくまで見解であり、投資の有無を推奨するものではありません

財務安全性 有利子負債はあるが懸念するレベルではない
配当利回り/配当性向 配当利回りは3%超えと魅力高め
優位性 特筆すべき会社固有の強みは優位性はそこまで無い様に思える。た他社は建設現場向け用途に特化した先が多い中、様々な用途向けに入りこめていて、少しオシャレな印象はある(定量情報は現状無し)
業界全体の成長性 この先数年は需要の高まりは期待できる
会社の成長性

あまり具体的な成長戦略が見えてこないのであくまで市場全体の流れに左右される面が大きいか

割安度

同業他社と比べても割安水準と言える