【銘柄分析】(株)リンクバル【2021年9月期第1四半期 決算】

  • 2021年2月14日
  • 2021年2月17日
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リンクバルですが2021年9月期の第1四半期決算は2月3日に発表されました。依然コロナ禍で厳しい業績が続いていますが今後や将来性に関して分析してみます。

会社業態及びビジネスモデル

企業概要 コト消費ビジネス会社。ワンストップ型「コト消費のプラットフォーマー」を目指し、イベントECサイト「machicon JAPAN」や恋活・婚活マッチングアプリ「CoupLink」等を運営。「machicon JAPAN」は街コンを含むイベント情報掲載(年間24万件以上、会員数190万人)、プロデュース・集客支援、開催希望者へのコンサルティングなど(独身の男女の出会いの場/街コン・婚活市場の提供から人と人を繋ぐコト消費・体験の場の提供へビジネス領域を拡大)。その他、恋愛専門情報メディア「KOIGAKU」、学生と人事のマッチングアプリ「人事トーク」、オンラインチャットサービス「V BAR」を運営。大手企業・自治体とのアライアンス強化、ヤフー・楽天などの大手メディアや企業との連携・提携・コラボレーションを推進。2018年「machicon JAPAN」をプラットフォーム化、ベネフィット・ワン<2412>と業務提携。主要取引先はシャンクレール。
取扱商品
・街コンイベント専門の情報ポータルサイト「machicon JAPAN」(イベント掲載、プラットフォーム型ECサイト、友達作り・体験・オフ会・自分磨き・社会人サークル・恋活・婚活)
・恋活・婚活マッチングアプリ「CoupLink(カップリング)」、カップル専用アプリ「Pairy(ペアリー)」
・恋愛応援情報サイト「KOIGAKU(恋学)」、婚活・恋愛情報メディア「iVERY」、オンラインチャットサービス「V BAR」、交流サイト「5min」
・学生と人事のマッチングアプリ「Jinjitalk」、マタニティウエディング専門カウンター「ママ婚」
企業URL

https://linkbal.co.jp/

※マネックス証券/銘柄カウンターページより抜粋

リンクバルの事業を大きく分けると下記の2つに分類されます。

イベントECサイト運営サービス

主力事業は街コンイベント専門の情報ポータルサイト「machicon JAPAN」を媒体として、自社での街コン企画、開催や他社の企画を掲載するプラットフォーム型ビジネスです。

※Machikon Japanの概要

Google上で「街コン」と検索すると常に一位表示されますので、街コン業界では高い知名度と言っていいでしょう。(ちなみに街コンというワードはGoogle上での月間検索数が約10万回です)。登録ID数は200万越えと街コンに参加した方、参加を検討した方の個人情報をこれだけ握っているのは大きいですね。

サイト上では様々なジャンルの街コンイベントが開催されています。

 

ただ、基本的にリアルでの出逢いを基本とする街コンイベントはコロナ禍の負の影響を受けまくっています、後程細かく分析しますがコロナ迄までの安定成長はどこへやら、2020年第3Q(4-6月)以降はずっと赤字決算となっています。

対面式のイベントがどうしても制限されてしまうのでこれはある程度仕方ないかと思います。

 

WEBサイト運営サービス

補完的なサービスとしてはマッチングアプリのCoupLinkやカップル専用Pairyというアプリも提供していますが、基本的には街コン参加者のアフターフォローという機能に特化している様なので、一般的な他のマッチングアプリ(OMIAIやPairsなど)等とは少し毛色が違うため、競合関係にはならず完全オンラインでの出逢いを求めるユーザーからすると殆ど利用価値は無いようです。

参考ブログ:マッチング大学(カップリンク口コミ評価!実際に登録してみた本音を公開)

他にも恋愛・婚活関連のメディアサイト(KOIGAKU)や学生・人事向けのマッチングアプリ(JINJI TALK)等も提供しているようです。

 

全体のビジネスモデル

ビジネスモデルの全体像は上記の様になっており、売上構成(2020年9月期)は下記の通りです。

主力は勿論、街コンジャパンをプラットフォームとした街コン関連で85%程度になりますが、売上高は昨年比で半減と非常に厳しい状態です。

ではもう少し業績を細かく見ていってみます。

 

 

株式基本指標

私が銘柄のスクリーニングを行う上で重要視している指標を並べてみます。

基本指標

2021/2/12時点の数値

指標

数値

市場

マザーズ

上場年

2015年04月28日

株価 325円
PER 赤字の為無し
PBR 2.99
ROE 0.24%
ROA 0.20%
EPS 赤字の為無し
自己資本比率 91.2%
発行株式数 18.6(百万)株
配当利回り 0%
配当性向 0%
現金同等物 1,755(百万)円 / 2021年9月期第1四半期決算短信より
有利子負債 328(百万)円 / 2021年9月期第1四半期決算短信より
利益余剰金 1,867(百万)円 / 2021年9月期第1四半期決算短信より

上記指標だけ見ると、、、2021年9月期のQ1単独では赤字決算なので殆ど参考にならないのですが1つだけ言えることは驚異の自己資本比率、無借金経営である、という事。

Q1の赤字は38(百万円)でした。仮にこのまま赤字が続くと2021年度の通気で1億円程度の赤字になったとしても、BS上の純資産は20億円程度であり、且つキャッシュも17.5億円以上抱えています。

つまり後10年間赤字が続いても会社として倒産(債務超過)に陥る可能性は限りなく低い、という事です。

当然財務状態が健全な内に立て直しが急務な状態ではありますが。

 

独自バリュエーションチェック指標

「1%の人が知っている99%勝てる株が見つかる本」を参考に行う将来のROEや配当利回りを参考にした手法です。これで購入銘柄を決めるわけでは無いのですが、参考にしています。

こちらの各指標を使ったバリューチェックの具体的方法はこちらで解説しているので、それぞれの指標を見ていく背景説明は省きます。(詳しくは別記事で解説しています。)

経年営業利益率
2021年9月期第1四半期単独 赤字

2020年9月期(実績)

19%
2019年9月期(実績) 38%
2018年9月期(実績) 27%
2017年9月期(実績) 18%
その他基本的指標 備考/目標基準
配当性向

0%

≧50%
増収歴(純利) × ≧4年
中期経営目標 × 無し
20年後もサービスが継続しているか? 〇/△/× で✖は投資NG
7年後の株価予想 0.5倍 ⑦の数字を市場平均利回り1.6%(2018年)で割る

現在3期連続で赤字になってしまっているのでこのバリュエーションチェックがそもそも意味を成しません(赤字出ないことが前提なので)、2020年9月期の営利は僅か5,000万円でしたのでこれをベースに計算すると株価は半分になってしまう、となりますがそもそもコロナで大打撃を受けたイレギュラーな業績内容なので殆ど参考になりませんが一応掲載しました。

 

株価と直近業績の関係性

経年の業績推移と株価の関係

↓マネックス証券/銘柄スカウターページから抜粋

↓ここ数年の株価の動きです。

 

2021年度9月期の予測に関してはコロナ禍による影響を予測できない、とのことで発表が見送りになっています。足元の状況見ると赤字決算となってしまう事も十分考えられますが果たして、、、

2019年9月期までは順調に右肩上がりの成長を続けていました。それに応じる様に株価も2018年の末のピーク時には1,700円近くまで上げています。

当時の2019年実績のEPSは33.9円でしたのでPER50倍程度とITベンチャー企業らしい成長期待を持たれていました。

当時と比較すると足元の株価は5分1程度まで沈んでいますが、後程掲載しますが、足元では2020年度Q3、Q4、2021年度Q1と3四半期期連続で赤字を出していても何故かここ半年間の間は株価は大きく下がることも無く横ばいを続けています。

市場もコロナ禍の影響を大きく受ける事を既に織り込んでいる事や、財務状態が極めて健全であり当面倒産の危険性は無い事、等の要因から今後のワクチン配布、コロナ収束後の世界を見据えてリンクバルの将来性を期待している想いもあるのかもしれません。

 

同業種内での割安度(PER)の比較

同様のサービスを展開している他銘柄の平均PERを見てみます。街コンサービスを提供している同業他社は無いに等しいので婚活関連サービスやマッチングアプリサービスを展開している会社をみてみます。

会社名 PER

IBJ (婚活サービス会社)

38.7

ネットマーケティング (Omiaiの会社)

17.49

タメニー (婚活支援サービス)

赤字

T&Gニーズ (ウェディング会社、業界最大手)

赤字

IBJは婚活サービスを提供しており、合コン、街コンイベント企画なども行っている会社ですが業績も比較的好調でPERもかなり高めですが、やはり婚活イベントの会社はかなりどこも苦戦しています。

直近の業績ももう少し細かく見てみます。

 

直近の業績動向

では実際の2021年1月期第1四半の足元の業績はどうでしょうか?

直近決算 2/3 日発表の第3四半期累計実績
金額(百万円) 進捗率 対前年比
売上 237 ▲60.7%
営利 -31
純利 -38

◆四半期別業績推移

結構笑っちゃうくらい燦燦たる状況です。唯一の救いは2020年9月期のQ3-4と比べれば若干ながらも増収、増益となっている事くらいでしょうか・・・(赤字なので増収とは呼ばないかもしれませんが)

2021年1-2月は再度、緊急事態宣言が発令されたこともあり、Q2(1-3月)に関しても回復は見込めない状況となっています。

ただこんな状態でも株価は下がらないのが不思議なものです。現在の株価は完全にこの状況を織り込んでおり、2020年3月の最安値から比較すると足元の株価ですら倍近くなっています。

逆にちょっとしたサプライズがあると株価が上がる可能性すらあるかもしれません。

細かい内訳をみていってみます。

決算資料内にも記載のある通りやはり12月からイベント参加者の減少が見られるようです。これはワクチンが出回りある程度時間が経たないと完全に回復はしないでしょう。

また今後潜在的に人々は蜜を避ける意識が生まれ街コンの様な不特定多数が集まるイベントへの集客は以前より難易度が高まる可能性もあります。

↓売上高の内訳

直近の第1四半期では主力のイベントECサイト運営サービスが70%近い減収となっており、少なくとも今年度いっぱいは非常に厳しい状況が続くでしょう。

新規事業や将来展望

主に2021年9月期第1四半期決算説明資料から読み解きます。

具体的な中期経営計画は発表しておらず、本年度は立て直しの1年とする、と公式に発表していますので、暫し様子見といったところでしょうか。。。

 

とはいえ、コロナ収束まではリアルの出会いの場の提供は制限されると思われますし、当然と言えば当然の施策ですが、オンラインサービスで何とかユーザーを繋ぎながら再起を図る構想を持っているようです。

実際に街コンジャパンの中のサービスの一環として、「V BAR(複数人のオンライン飲み会・合コン)」や「5min(1対1の通話サービス)」と呼ばれるオンラインイベントのサービス提供を行っている様です。

ただ正直オンラインが初対面の出逢いだったり、更に複数人の飲み会となるとリアルの場よりも雰囲気作りや会話の難易度が数倍上がるように思えますので相当場慣れした方以外はさほど盛り上がらずにリピートしようと思わないのではないかと思えてしまいます。

実際に勝手知ったるメンバーで行うリモート飲み会でも変な沈黙が生まれたり会話のタイミングに違和感を感じたりといった方は多いのではないでしょうか?それが慣れてない異性同士であればなおさらのように思えます。。。

※街コンジャパン内の[V BAR] サービス

既存サービスの二番煎じにはなるかもしれませんが、200万越えの会員数を活かして、1対1や小規模の飲み会や食事等までを提供・アレンジを行うサービスや、より一般大衆向けのマッチングアプリサービスへの作り替え等への投資を加速していってくれれば面白いな、とは思います。

今は自粛ムードではありますが人々の出会いへの欲求は永劫消える事は無いでしょうし、やり方次第ではまた復活出来る可能性も十分あると思いますので暫く見守っていきたい銘柄ではあります。

纏め・総論

個人的見解ですが総論としては下記の通りです。(あくまで見解であり、投資の有無を推奨するものではありません

財務安全性 自己資本比率、保有現金から足元は全く問題無し
配当利回り/配当性向 当面は立て直し、成長への投資に追われ、配当の見込みは無さそう
優位性 提供サービスである街コンジャパンは会員数、街コン開催プラットフォームとしてのポジショニングはかなり高いと思われる。
業界全体の成長性 コロナ禍で自粛ムードだが長い目で見れば、出会いの場の提供というサービスは回復し、更に伸びると思われる
会社の成長性

既存サービスの延長ではこれ以上の成長は中々難しい可能性高いの、マッチングアプリサービスの見直しや改善、膨大な登録者数かや過去データから得られるビックデータを元に新サービス等始める必要はあるかもしれない。

割安度

足元は赤字であり割安度は全くない。