【銘柄分析参考書籍】1%の人が知っている99%勝てる株が見つかる本

私の投資術ですが複数の書籍から自分なりに気に入った分析手法を抜粋してミックスする、という方法です。

”賢者は歴史に学ぶ 愚者は経験に学ぶ” という格言がありますがこれまでの私は完全に愚者に属しており自分の経験で何とかしようとしていました。

天才ならいざ知らず、私の様な凡人が上手くいくはずもなく、先人、成功者の知恵を拝借しようと決めました。

中でも株価のスクリーニングやバリューチェックを定量的に行う際に非常に参考になった書籍がこちらです。

とにかく難しい計算、分かり辛い専門用語、そんなもん覚えずに儲かる可能性の高い株を探したい!

という人に向けられた本だと個人的には思っています。この本の内容だけを100%鵜呑みにして投資を始めるのは考え物ですが、何も考えずにメディアやインターネットの情報に踊らされて高値掴み⇒暴落という悲劇的な将来を辿る可能性はかなり抑えられるでしょう。

こちらの書籍も基本的には配当+に着目した銘柄選択を主眼に置いており、長期的(5~7年)のスパンで安定的に利益を積み上げていきたい、という人は参考になると思います。

では本の内容で参考になる、印象に残っている箇所を抜粋して紹介します。

 

営業費用売上比率

この筆者の方は売上に対して営業費用がどの程度か、という水準を非常に重視するそうです。

これをなぜか営業費用売上比率という呼び方にしており、最初はチョッと???でしたが、要は営業利益率がある程度高い銘柄を選びましょう、という事です。

私としては営業費用売上比率という考え方が非常に分かり辛かったので勝手に営業利益率に換算して計算に使ってます。

ざっくりですが営業利益が13%程度以上を安定的に稼いでいる会社がターゲットになり、これは全体の2割程度になるそうなので大分スクリーニングになります。

ただ例外的に食品、外食/飲食、卸売り、陸運 等の利益率が低くなりがちな業種に関しては10%以上程度を目安にします。

ただ確かに安定して高い営業利益率をキープできている会社は付加価値が高いビジネスを展開しており、参入障壁が極めて高かったり、特殊技術を要していたり、不当な価格競争に巻き込まれなかったり、不況時も赤字に転落するリスクが少なく現金創出力が高いと言えますので魅力的な投資先と言えるでしょう。

必ずこの水準をクリアした銘柄のみに注目する訳ではありませんが、一つの指標に使っています。

 

「赤字」と「減益」は別物

これは少し心持的な話かもしれません。

多くの投資本や投資家は非常に減益に関してネガティブに報じられます。勿論右肩上がりで増益し続ける事がベストですがそんな成長性を持ちながら且つ割安な銘柄というのはかなり稀です(勿論根気よく探して運よく見つければ投資すべきですね!)

こちらの本では「赤字」でさえなければ一時的な「減益」に関してはセンシティブになりすぎるな、と推奨しています。

あくまでこの書籍での投資スタイルの主眼は配当になりますので、仮に一時的に減益しようとも自己資本=利益余剰金=将来の配当原資は増え続けるからです。

いかなる成長企業でも踊り場に差し掛かる場面は訪れますし、長期的に見れば決して過敏に考えすぎてはいけない、という事です。

但し「赤字」に関しては配当原資を減らしてしまう事になりますのでそういった企業に投資するのは極力避けましょう。

 

具体的な銘柄選別の手法

ではここから具体的な銘柄選別の手順を紹介します。下記の5ステップの観点で選別を行う事でかなり絞り込みが可能になります。

マネックス証券の銘柄スクリーニング機能(無料)を使うとある程度スクリーニング出来るのですがあくまで設定した条件内に完璧に合致した企業しか出てきませんし、全体の相場観を鍛えるには四季報を使って自分の目で選別することも重要と思います。(併用すると漏れがなくなります、凄く大変ですが)

個人的なおススメの方法はまずマネックスス証券でスクリーニングし有望な企業名を頭に入れてから、四季報を読むといいです。

①営業利益率が13%以上である事

例外として上述の通り食品、外食/飲食、卸売り、陸運等の業界の全体の利益率が低めの場合は10%程度まで下げても良しです。

この足きりによって配当維持が将来的にも期待できる可能性が高い銘柄を選別できます。単年度ではなく過去4年程度の営利率を見て安定的に達成しているかが重要です。

②配当性向が5割以上か?

この条件に該当する銘柄は非常に少ないので仮にクリアしていればステップ④に進んでください、と書籍内では推奨されています

ただ配当性向5割という銘柄は基本的に成熟産業且つ新規投資を行わない会社が多くなる傾向なので個人的には長期的に見ての成長性に少し不安を感じますのでステップ③をとりあえず見てみるべきでしょう。

③直近の4年連続で増収か?

ここでの基準は直近数年が増収かどうか(売上の増加率)です。

マネックス証券の銘柄スカウターを使うと一目遼前なのでおススメです。

基本的に最初の営利率でのスクリーニングをかけている会社になりますので増収=営利以下の項目も増益している可能性が高いです。

また安定的に増収を続ける企業は戦略が上手くいっている、最低でも致命的なミスは犯していない、可能性が高いとみることが出来ます。

④中長期の経営計画や数値目標が発表されているか?

出来れば定量目標があるとベストなのですが中には中長期の経営目標や戦略に関しての発表はあっても具体的計数目標が無い場合もあります。

また中長期の経営計画という形式で発表されていなくても決算資料内でや社長インタビューにて言及されているケースもあります。

よって他の確認項目と含めて総合的に判断するといいかと思います。

全く目標や将来像に関して言及の無い会社は候補から外すのが無難だと思います。

⑤商品の永続性

ここは主観も入ってくるので少し難しいかもしれませんが、20年後その企業が提供する商品やサービスが残っているかどうか、です。

例えば極端な例で言えばハンコ、印刷といった商品・サービスは20年後にほぼなくなっているかかなり減少している可能性高そうです。

反対に自動車、は電動化やCASEといったトレンドの変化はあっても自動車そのものは残っているでしょう。(TOYOTAが20年後に消滅している可能性は極めて低いでしょう)

ただ20年前にiPhone及びスマートフォンがここまで浸透していると誰が想像できたでしょう?

とまぁここはご自分の知見、将来展望、感性を信じるしかないかと思います。

 

選別した銘柄の定量的バリューチェック

さてここまでのステップでかなりの有望株が絞り込めたはずです。

ここからは定量情報を使っての分析になります。何も難しい事はありません、下記の公式に数字を当てはめていくだけです。

①営業利益の6割を計算(NOPATの算出)

最新の発表済みの営業利益に0.6を掛けます。(これをNOPAT/税引き後営業利益とも呼びます)これは日本の法人税率がほぼ利益の4割だからです。

純利益は一時的な損益や外因的な要因の損益が含まれてしまう事もあるので、営業利益をベースとすることで本業での稼ぐ力があぶり出されます。

②疑似配当総額をNOPATの4割で計算

現在の日本の平均配当性向は3割程度とのことですが、将来的には増配圧力から4割程度に引きあがる、という前提です。

NOPAT×0.4が配当に分配される金額という事になります。

③疑似的ROEの算出する

決算短信から最新の自己資本を確認し、税引き後営業利益からを計算します。

これが①で計算したNOPATから算出される疑似のROEになります。

④ROEによる場合分けで7年後の配当金額を想定

③で算出した疑似的ROEから下記の計算を行います。

◆ROEが20%以上の場合 ⇒ 手順②の配当総額を4倍に

◆ROEが15~20%の場合 ⇒ 手順②の配当総額を3倍に

◆ROEが10~15%以下の場合 ⇒ 手順②の配当総額を2倍に

◆ROEが10%以下の場合 ⇒ 手順②の配当総額を1.5倍に

これは例えば算出したROEが20%の場合、自己資本が毎年20%ずつ増加していくことから、投資期間を7年と仮置きし、1.2の7乗=3.6倍となるので丸めて4倍となります。

もっと詳細を理解したい方は書籍を読んでください。

⑤将来配当と時価総額から将来の配当利回りを計算

④で配当総額に乗算した数字が将来の配当金額になります。そこでその配当金額を時価総額で割る事で「将来の利回り」が試算可能です。

これが2%以上であれば購入の候補となります。

ここで2%という数字を使うのが2018-2019年の平均配当利回りが1.6%程度で、ターゲットとする銘柄の配当利回りは7年後には少なくとも2%を超えているべきだろう、という前提があるためです。

7年後の配当利回りが2%以上であれば平均から見れば優れた銘柄だと判断できるわけです。

⑥株価上限の想定値を計算

では株価がどこまで上がるポテンシャルがあるのか?という点を計算します。

⑤で算出した数字を平均利回りである1.6%で割ります。これで算出した数字は〇倍となり、そこまでは株価上昇のポテンシャルがあります。

ここは少し小難しい理屈があるので興味ある方は書籍で確認してみてください。

 

実際の銘柄でバリューチェック

上記で羅列してきたチェックポイントを使って実際の銘柄を分析してみます。

上記の選別には特にPERは入っていないのですが自己資本比率やPERも見ながらあまりに割高な銘柄や財務的に危ない銘柄は除いた方が無難とは思います。(暴落リスクや上場廃止リスクを避けるために)

 

PRTIMES でバリューチェック

コロナ禍で躍進を遂げた銘柄の一つといえる、企業のIR情報などをまとめたニュースを配信する等のプラットフォーム型ビジネスを展開するPRTIMEを実例に見てみます。

安定して増収増益を重ねており、営業利益率も安定して20%を超えています。

中長期経営計画は見つからなかったのですがある前提でこのまま進めます。このサービスはきっと20年後も継続している事でしょう!

さぁではバリューチェックです。

【単位:百万円】

※営業利益は2021年2月期予想の数字を、株価及び自己資本等の情報は2021年2月5日時点の数字です。

①営業利益の6割(NOPAT) 1,375×0.6=825
②疑似的配当総額 ①(825)×0.4=330
③疑似的ROEの算出 ②(330) / 2,398 (決算短信から最新の自己資本) = 13%
④ROEによる場合分け ③が13%なので、②(330)×2倍 = 660 ⇒これが将来の配当総額見込
⑤将来の配当利回りを計算 ④(660) / 時価総額(50,936)  = 1.3%
⑥株価上値見込 ⑤(1.3%)/ 四条平均値(1.6% )= 0.8倍

という事でPRTIMESをこちらのバリューチェックに当てはめて計算すると7年後には株価は0.8倍になってしまうという結果になりました。

現時点でPERが45倍程度とかなり市場の期待が高まっている事もあるので現在の株価は少々割高、という事になるのでしょう。

勿論この先さらに成長度合いを継続・加速させる、株主の期待に応え続ける、といった動きを継続出来ればこの限りではありませんし、あくまでここで試算した数字も参考にする程度にとどめるべきだとは思います。

 

ただこのバリューチェックは銘柄の割高∼割安度を測る目安になりますし、やってみても損は無いと思います。慣れれば10分/銘柄くらいで算出できます。

ここで使用される概念に関して更に理屈も含めて細かく理解したい方が是非書籍を読んでみてください。